■VOL・105 オヤニラミ 2005/4
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オヤニラミ |
リバーサイドの風炎工房は、せせらぎに包まれ、美しい風景なのですが、正直、チト飽きた・・・
それはさておき・・・
風炎キッズが小学生の時、クラスメイトに貰ったとかで、「オヤニラミ」を持ち帰えった事がありますた。
この地方では「ヨツメ」と呼ばれる魚で、エラに斑点があるのが由来らしい・・・
テリトリー意識が高く、元気で快活で、ヒレで刺す事もあるチビギャングだす!
良く見ると愛嬌のある体型で可愛いのですが、野生の逞しさか、眼光がスルドイ!
アーリーシクリッド系の熱帯魚に、よく似ているのですが、色は地味・・・
とりあえず飼ってみましたが、天然ものは人工餌は口にせず、2ヶ月ほどで痩せこけて昇天!
絶滅危惧種とかで、清流のシンボルでもあるのですが、可愛そうな事でした。
この頃・・・ 反省を込めて、オヤニラミを乱作しておるのですが、これには深い理由があるのだす!
「Hiroshima O・C・F」
立派な名称ですが、いったい何の団体なのでしょうか?
広島じゅう探しても、解る人おりまへん! 何故ならワシが作ったから・・・
「太田川クラフトフェスタ実行委員会」
偉そうな名称ですが、何となく解って頂けますでしょうか?
太田川で叫んでも、解る人は少しだけ・・・ 何故ならワシが代表だから・・・
只今、流域を繋いでのクラフトイベントを画策中でがんす!
事の始まりは・・・
団塊世代で、年金不安の都会のミセスが言いました。
「年を取ると雑踏の中を歩くのも苦痛で、デパートも疲れますね!」 「太田川の風景は癒されますよ!」
太田川源流域の、あそこと、あそこに、クラフトイベントを開催しておる物好きがおりました。
「クラフトマップがあればええのう!」 「同時にやれば面白いのう!」 「動員が増えて儲かるかのう!」
以前、イベントに参加してくれたクラフトマンが言いました。
「太田川の風景はよか〜」 「清流も新緑もよか〜」 「こんな風景は九州にはあらんとです!」
川沿いを走っていたJR可部線は廃止され、名残りの鉄路は錆びまくり、過疎地は寂しくなるばかり・・・
「人はノスタルジーだけでは生きられん!」 「次の時代を見つめるしかない!」
我が町に、JRから10億円、国から50億円の補助金バラ撒かれ、政治屋と建設業者が微笑む・・・
「ハコモノ行政&観光は時代遅れ!」 「維持費が大変!」 「補助金はいらん!」
事は続いて・・・
中途半端で、無骨な陶芸家が言いました。
「これからはソフトの時代じゃ!」 「自由と連帯とハッタリと経費節約じゃ!」 「ボンビーには夢が必要なのだ!」
太田川が好きな、腰の軽いクラフトマン達が言いました。
「大変そうじゃが、皆で頑張ろう!」 「ボランティアでやろう!」 「パソコンを利用しよう!」
リポビタン系で有名な川森文化交流センターの局長が言いました。
「田舎の因習と行政の怠慢をブチ壊すのだ!」 「地域起こしの狼煙を上げるのだ!」
その時ワシは、ボランティアのかかえる深い矛盾を、知りまへんでした。
事はチト動く・・・
ホームページはワシ、周遊マップは貴方、幟は貴方、広報は貴方・・・ 分担仕事は沢山あれど金は無し!
「イベント企画は、楽しまんといけん!」 「無理しちゃいけん!」 「モノツクリも営業力が必要!」
太田川がメインテーマの、都市と田舎の交流イベントは、ボンビーにも耐え、行政枠をも越え・・・
それは、何のシガラミもないクラフトマンだからこそ出来る、夢のイベントなのかもしれまへん!
う〜ん! 素晴らしいと自画自賛!
事はチト傾く・・・
マスコミへの資料提出日も近づき、イベント内容を確定するリミットも近づいた頃・・・
「田舎の神楽の幟の染屋さんを見つけたけど、一枚¥5,000と高くてダサい!」
ネットで、デザイン料込みの格安物件を知る、我が身がツライ・・・
「会社でアドビのPDFソフトを見つけたが、インストールできん!」 「フリーズして間に合わん!」
最近、イラストレーターの操作に多少慣れた、我が身がツライ・・・
「最初に言った人がすればいい!」
いろんなアイディアと、責任感のある、我が身がツライ・・・
誰が悪い訳でもないのに、事は我が身にブチ傾き・・・
皆でやるという事は、誰も責任を持たないという事だと、悲しくも悟る。
結局、風炎カ〜サンや悪友にグチをタレナガシながら・・・ 悪戦苦闘の日々を送る羽目になったのでありました。
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周遊マップ |
ミニノボリ |
やがてそれは、「周遊マップ」と「ノボリ旗」いう、ふたつのカタチとなる。
マップには、美しい画像も、ギャルの微笑みも、袋トジもなく・・・
イメ〜ジキャラクターのオヤニラミのスルドイ視線と、マップと、細かい文字と、スタンプラリーのキリトリ線がある。
バーゲンのコピー用紙に、役場の輪転機を借用して白黒印刷した、格安マップでがんす!
他府県クラフトマンの参加、スタンプラリーの地元商店の参加、新設されたスマートICの利用促進・・・
施設利用、地域住民の参加、企業協賛、安芸太田町と広島市の連帯、バス利用の促進・・・
シンプルにまとめてしまえば一枚のチラシですが・・・
空振りプランも多く、人に頭を下げれば義理が蓄積され、変更懸案も多い・・・
印刷下版の校正変更は未だに続いており、目に見えない努力は、やった人でないと解りまへん!
個人が連帯した地域起こしのカホリは、
再編成を模索中の行政と、傾いた商工会と、高齢化の激しい町民にどのように映るのでしょうか?
新聞チラシとして配布する予定ですが、どうなります事やら・・・
恥ずかしながら・・・ この年まで、ボランティアには無縁な暮らしでした。
儲け過ぎた企業や、裕福な方だからこそ出来る社会貢献であり、
生活基盤の危うい陶芸家にとっては、正直、別世界でがんす!
「太田川クラフトフェスタ」は、入場無料ですが、展示即売ですので、営利目的ですが・・・
その根底には、高齢化で薄曇りのJAPANの、道標を模索しているのは事実でがんす!
勉強するに・・・
草刈とか、田植とか、掃除とか・・・ 皆で分け合えた頃のボランティアは時代とともに変わりつつあるそうで、
福祉とか、環境とか、災害とか・・・ 技能や資格に裏打ちされた専門職となりつつある。
看板だけ偉そうな「Hiroshima O・C・F」の場合も、
WEB製作、WEB発注、印刷校正、取りまとめ・・・ 皆でやるよりも、独りのほうが断然早い!
されど責任が独りに集中する弊害があり、何よりもタダ働きにも限界がある。
ボンビーならなおさら・・・
何だかの要因で、独りのやる気が失せたり、体調を崩したりすると、沈没するしかない・・・
ボランティアは本来、無理なく自由であるべきですが・・・
組織が大きくなるほどに、責任、義務・規約に縛られてしまうとか・・・
個性の強いクラフトマンが工夫できるテリトリーを確保しながら、個人が活かせるシステムを模索中ですが、
責任者の重圧をフォローするには、銭の力が必要だと痛感している次第でおます!
行政主導の補助金頼みのイベントの10%の予算があれば、
自由と連帯とハッタリと経費節約のボンビーイベントは成立するのですが、妙案はないものでしょうか?
「Hiroshima O・C・F」の現状は、苦難に満ちており、
いい加減&無責任&気楽にいくか、それとも、銭の力を借りてプロ意識を持つかの三叉路でがんす!
赤字覚悟の「オヤニラミ企画」の経営者になるかは、VOL・1の終了したあと考えますが、
自分の力を越えたところにある、見えない求心力を感じており、人に恵まれているのも事実です。
皆様の知恵を拝借するしかありまへん!
営利を認める、NPO法人がこれからのカタチかもしれませんが・・・
銭なくして生きられない時代に、真実の愛を行使するには、矛盾との上手な付き合い方も大切だす!
思うに・・・
人は誰も、生まれて、食べて、寝て、死ぬ! さらに、人それぞれの家族と仕事がある。
仕事とは、金銭を得る為の手段であるのですが、生甲斐でもある。
仕事としての対価は銭かもしれませんが、さらに、夢を見ながら、工夫しながら生られる喜びが加われば、
人生この上ありまへん!
組織や政治に頼れない現代の若者にとって、ボランティアにその価値を見出すのは解る気がします。
何故、クラフトマンはボンビーに耐えながらも、作品を作り続けるのでしょうか?
そこに仕事の持つ深い意味があるのだす!
風炎キッズはこれから数年先に、人生の大きな分かれ道を迎えます。
彼女らはオヤジの背中をニラミ・・・ 風炎カ〜サンは帳簿をニラミ・・・
風炎オヤジはオヤニラミを乱作しながら、商売繁盛をニラミ・・・
太田川に、次の時代を生きるオヤニラミの放流を、画策中だす!
お客様におかれましては、是非、太田川クラフトフェスタにお越しくださいませ!
新緑の太田川をニラミ、黄色いノボリ旗をニラミ、他府県のクラフト作品をニラミ、風炎陶器をニラミ・・・
スタンプラリーの景品をニラミ、吉水園のモリアオガエルの産卵をニラミ・・・
地方切捨てのJAPANの未来をニラミ・・・
財布の中身をニラミ・・・
う〜ん!
高齢化時代を先取りした風炎オヤジのウスラは、残念ながらニラんでも、何の価値もありまへん!
PS
ワシの母親は、工房近くのボロ実家で、気楽な一人暮らしをしておりますが、
最近、体調を崩し寝ている事が多い・・・
介護できる余裕がありまへんので、ホームヘルパー、通院、往診、薬剤管理、デイケア・・・
原爆被爆者ですので医療費も無料であり、手厚い福祉の恩恵を受けております。
お陰で、ワシラも生活が成り立つ訳で、福祉関係者の皆様には、深くお礼申し上げます。
自分を含め、介護の手厚さに慣れすぎて、甘えている現状を深く反省しており、
オヤニラミのような厳しい目で、自然を生き抜く逞しさを見習いたいと思う、今日この頃でがんす!
「親切」とは、オヤをキルと書きますが・・・ 優しさと過保護は別問題なのかもしれまへん!
PS 2
吉水園の春の一般公開日は、今年から「かえるまつり」になります。
カエルでの町興しも画策されているのですが、
今年は安佐動物公園の両生類の専門家が、園内ガイドをしてくださいます。
実はこれ、ワシの発案なのです。
4年前、動物園事務所に乱入した実績がありましたので、今回もアポなしで、独りで特攻してしまいました。
いろいろな方を紹介して頂きましたが、スグいいお返事は頂けませんでした。
「吉水園には天然記念物のモリアオガエルが勝手に生息しておりますが、
キャラクターグッズばかりのイベントはつまらん!」
「安佐動物公園から派遣して下さいますと、都会と田舎が太田川を繋いで交流した事になるんです!」
粘っておりますと、園長様が帰って来られ、即OK!
ワシと風炎キッズの事も覚えていてくださり、沢山のアドバイスを頂きました。
動物園で働きたいと申していたキッズも高校生ですが、チト脇道ソレテ、盲導犬の訓練士を夢みております。
求人票や、面接や、学力だけで、なれる仕事ではありまへん!
本人の熱意とネットワーク作りが大切なのですが・・・
その背中を見せるのが、裏テーマでもあった訳ですが、ワシなりにケジメを付けたつもりだす!
草刈作戦・・・
●過去の物語
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