三段峡たたらの森
写真家の熊南峰は三段峡の名付けの親ですが、大正時代に出版した写真集の最後で「タタラ製鉄」の労働者の墓石を紹介しています。水梨には、江戸中期の製鉄跡、鉄を冷やした池の跡、朽ちかけた御神木が残り、土中には鉄滓(カナクソ)が眠っています。また、河原には丸く風化した鉄滓(カナメちゃん)が転がり、遊歩道のコンクリートの骨材にも探すことができます。ここは、鉄と森林の共生が感じられる癒しのエリアなのです。
エコツーリズムの発祥はドイツで、帰還兵の精神安定のために農作業に癒しを求めたもの。同じころ、日露戦争の戦場を経験した熊南峰は、三段峡の自然に救われたのかもしれません。 |