■VOL・121  ひるまえインタビュー   
2007/7

七宝 会場風景 和紙

ブチクソ暑いでがんす!

太田川クラフトフェスタVOL・3が終り、2ヶ月が過ぎようとしているのですが、
田舎の小さなクラフトイベントといえども、準備と運営はブチクソ大変・・・

未だにその疲れが残り、梅雨明けの猛暑と重なってボ〜ッとしております。


振り向けば・・・

前回は、動員・売上とも減少傾向でしたので、上昇気流に乗せるのが絶対条件であり、
さもないと沈没の危機が迫る・・・

今回は、七宝アクセサリー・秋月和紙・山葡萄カゴ・折りづるインスタレーションなど、
出展工房がチト増え、会場規模もチト大きくなり、運営の責任もチト重い・・・

ゆえにブチクソ必死でおます!


画策・・・

※協賛金を集めて、新聞チラシを安佐北区・南区に15000部のオリコミ配布。
※公共交通の不便さをカバーするために、周遊観光バスの企画募集のお手伝い。
※流域のモノツクリの歴史の紹介。


広報・・・

マスコミに出向く体力もなく、資料を送る元気もなく、電話をする暇もない・・・
リポビタンも底を尽き、ワシの絶倫も弱まるばかりで、クラフトフェスタの広報は弱体化・・・
顧客への3000通のDM発送が精一杯・・・

残る力を振り絞って、公式HPのアドレスを、マスコミに向けてMAILで一斉送信したところ、
チト返信がありました。

新聞記事3回、新聞告知2回、情報誌2誌、テレビ2回・・・
HPで整えておいたコンセプト、画像、出展者情報が、有効活用されました。



NHK広島放送局のMアナが、取材のために、風炎工房まで3回も足を運んでくださいました。

アナウンサー名を聞いても、番組名を聞いても、チンプンカンプンでワケワカラン・・・
何やら、クラフトフェスタのイベントコンセプトに共鳴したらしい・・・
スタジオからの生放送で、15分も時間があるとか・・・


趣味の音楽の話・・・

紅白歌合戦で御世話になっております某歌手の話になり、
Mアナのお母様もFANとかで、デビュー曲・アルバム・ホイホイミュージックの景品・・・
結構コアな逸話もご存知でした。

歌ゴコロとは、人を引き込む間(タメ)というか、ゆとりが必要で、
客観的な視点で伝えるのがプロの表現者であり、それはアナウンサーも同じではないかと意見すれば、
大いに賛同してくださいました。

Mアナのゆっくりとした口調は天然だそうですが、マジメな方でありました。


クラフトフェスタの話が、どうも噛み合わない・・・

Mアナは、太田川上流域にはブチたくさんのクラフトマンがいて、
美しい風景に囲まれて、仲良く楽しく交流しているようなイメ〜ジを、大きく期待しておられました。


まあ〜その〜

「実行委員会の実働は1人ですが、名前だけなら結構多いともいえなくもありまへん・・・」
「上流域からの参加は3人くらいですが、下流と支流と歴史展を加えればそれなりに・・・」
「喧嘩も交流と考えれば、それなりに盛んといえなくもありまへん・・・」
「工房にいつも流れているのは、太田川のセセラギというよりも、某歌手の歌声・・・」


う〜ん!

Mアナは、台本は作品であると主張され、クラフトフェスタに関わる地域の実体が見えないと苦慮され、
壊れた実行委員会・超ボンビー・地域のシガラミ・遠方からのヨソモノ流入という現実は、
彼のイメ〜ジとは程遠く、彼の意向(ヤラセ)に同調すれば、ワシがウソツキになる。

15分間は長いようでも短いらしく、「かえるまつり」や「周遊バス」などの多くの情報は削ぎ落とされ、
ワシの熱意が鮮明となるような配慮をしてくださいました。

MAILのやりとりを重ねて、妥協した台本が出来上がったのは、本番前日の真夜中深夜でした。


本番当日・・・

テレビの生放送もスタジオ入りも初体験・・・
小心者の巨漢の陶芸家は、逃げ出したいのですが、そうもゆかない・・・

スタジオ内のソファに佇んでおりますと、何やら喧嘩が勃発!


ドタバタドタバタ・・・

「貴方には解らない!チームワークがない!」
Mアナはスタジオで一番偉そうな上司に向かって大声で叫んでおり、
二番目に偉そうな女性ディレクターが充血した目で仲裁されておりました。

どうやら、台本の遅れが原因らしく、最後の最後までゴネタ、ワシにも原因がありそう・・・


ドタバタドタバタ・・・

カメラマンや他のスタッフは慣れているのか、壮絶なバトルを無視して、
職人のように、テキパキと段取りをされておりました。

リハーサルでカメラアングルを決め、台本や時間の微調整をして、何も無かったかのように・・・

本番スタート!

リハーサル 本番 報道

■台本の紹介

NHK広島放送局 ひるまえインタビュー 11:38〜11:55 スタジオにて
ゲスト 太田川クラフトフェスタ実行委員長 林 俊一さん 2007年5月21日(月)放送分

冒頭

今日のゲストは林俊一さんです。
林さんは、安芸太田町加計の陶芸家です。

・作品を作りながら太田川に興味を持ち始めました。 (作陶中の写真)
・太田川上流域で工芸作家たちの交流が進み、地域が少しでも活性化すればと思い始めています。
・モノツクリと一緒にイベントの企画を続ける林さんにお話を伺います。


● 太田川に関心を持つまで
  ゲストの林俊一さんです。宜しくお願いいたします。

Q 林さんは加計のご出身。 倉敷・沖縄と修行されて、戻ってきたのはどうして?

A Uターンして18年になるのですが、これといって大した理由はありません。
  鮎が川を遡上する気持ちは、何となく解りますので、そんなもんですかね。

Q 林さんの作品をお持ち頂きました。
  オヤニラミ&サンショウウオ&カエル・・・ 風貌に似つかわしくないカワイイ作品ですね。

A よく言われます。

Q 40歳過ぎて身近な太田川に関心を持ち始めたのは何故?

A 窯を開いて10周年の時、工房イベントを開いたのですが、
  その時参加した九州の作家が、太田川を見てエラク感動していたんですよ。
  それがきっかけですね。

  工房のスグ裏が太田川で、24時間せせらぎが聞こえているのですが、
  それまではアタリマエ過ぎて、空気のようなものでした。


● 太田川上流域の作家 (川の写真)

Q ここでどんな川なのか改めて。 
  廿日市市吉和の冠山を源流として、安芸太田町を通って、広島市の河口までおよそ100kmの川。

Q 上流域で作られている工芸品を知って頂くために、作品を持って来てくださいました。(映像)

A 上流域には、伝統的な木工品が多いです。西中国山地の恩恵ですね。

  シャモジは宮島が有名ですが、素材の供給は上流域で、
  最盛期には30軒もあったシャモジ屋さんですが、最後の一軒のオタマジャクシです。
  こちらの茶器はとても緻密な作りで、黒柿は貴重な素材になってしまいました。
  途絶えた漆器を復興させようと頑張っている若者の作品もあります。

  最近では、染織・ガラス・彫金などがあります。

Q 何人くらいの人が。

A 上流域でモノツクリを仕事としている方は20名くらいですかね。

Q 具体的どんな方達ですか?

A 伝統職人から個人作家、修行を重ねた方から、趣味が高じた方までイロイロ・・・
  ジャンルもイロイロ・・・
  世代も、若い方から長老までイロイロですね。

Q 流域の作家に目が向くようになって気付いた事があるそうですが?

  はい。モノツクリの生き様は、一つのモノサシでは計れないという事です。


● 太田川クラフトフェスタ

Q 林さんは3年前から「太田川クラフトフェスタ」というイベントを始めた。どんな思いで始めたのか?

A 始めに考えたのが、個性の強い人がぶつからないように、会場を分けて複数にすることと、
  クラフトマン自らが主体的に運営する事でした。

  もともとクラフト人口が少ないですので、広く、県外からも参加できる会場も作りました。

  タイトルの太田川は、交流を、
  キャラクターのオヤニラミは、元気をイメージしています。

補 クラフトとは、陶芸や木工、染物など、生活に密着して使える工芸品のこと。

Q 今、クラフトフェスタに関わる人はどれくらいいるの?

A 実行委員として実働している人は僅かですが、出展工房もそれなりに手伝ってくださいます。
  また、見えないところで、たくさんの方に助けてもらっています。


● 可能性を探るイベントを詳しくご紹介。

Q 今回のクラフトフェスタは、太田川上流域の3会場に分けて開かれる。
  主なものを。先ほどご覧頂いた工芸品の展示。そして、写真をご覧頂きましょう。

Q 風炎フェスタ。どんな事してるのでしょうか? (写真)

A 私の工房ですが、陶芸展や山野草展や産品やカフェ、4日から蕎麦打ちもやろうと思います。
  工房の裏が太田川ですので、せせらぎの聞こえる気楽な会場です。

Q 掌展はどんな内容ですか? (写真)

A こちらがメイン会場になりますが、全国各地から30名の作家が集まります。
  職業として誠意を持って製作された、多彩なジャンルの作品展です。

Q このような展示会は他でもよく見ますが・・・

A はい。クラフトイベントは全国的に盛んですね。
  この会場の特徴は、作者自ら接客するうえに、主体的に企画運営しています。

  皆で、いろんなアイディアを出し合ってカタチにしていますので、
  チームワークもバツグンですし、秘密のお楽しみ企画もあります。

Q フェスタを通して地域の工芸家に変化はでてきたの?

A 地域愛の強い人は、県外者の多い状況に違和感がありますが、
  一方では、若い人の参加が増えてきました。

Q モノツクリに関して変化は生まれましたか?

A お客様や出展者から新しいアイディアがもらえるのは、イベント交流のメリットです。

Q フェスタを通して地域にどう貢献するの?

A 地域イベントは、景勝地やハコモノありきのところ多いですよね。

  太田川クラフトフェスタは複数会場ですので、
  その時その時で、場所と内容を変えながら、それらのイベントと絡み、
  良いスパイスになりたいです。

Q 今後、地域のためにフェスタをどんな風に変えてゆきたいですか?

A 流域からの参加が増えて欲しいですね。
  また、県外からの参加があれば、応援したいと思います。

  正直なところ、いつも試行錯誤です。

  地域のシガラミや、田舎が都市をもてなすという、これまでのカタチを壊し、
  川や自然を共有の財産として、楽しく交流したいものですね。


● PS

Q 林さん自身、故郷の見方は変わりましたか?

A はい。土地が狭く閉鎖的なイメージを持っていましたが、
  太田川の歴史をたどってみると、モノツクリの交流がありました。

  たたら製鉄も、木工も、漆も、ヨソモノが上流域にもたらしたもので、
  やがて、太田川を筏で下り、広島にモノツクリ産業が成立しました。

  太田川クラフトフェスタも、現代なりの交流の場でありたいですね。

Q 今年のフェスタへの意気込みは?

A 今回、参加工房が大幅に増えました。
  それと、広島駅からのバスツアーもありますので、多くの来場をお待ちしてます。

  クラフトとは生活に身近な工芸品ですので、
  皆様に楽しんでいただけることを、励みに頑張ります。


● まとめ・・・
   日時・内容紹介
   HP紹介 HPからDMやチラシの請求ができます。

  ありがとうございました。



結局、台本の順番がチト入れ変わりましたが、それなりにメデタク終了いたしました。

台本の遅れた原因が、クラフトフェスタ側の勝手な主張のためだと、一番偉そうな方に詫びましたので、
素人のゲストが、Mアナを擁護するカタチとなってしまいました。

一番偉そうな方の、その時の憮然とした表情は、今も心に残っております。


後日、Mアナからの電話・・・

クラフトフェスタの準備風景の生放送をしたいので、歴史展の長老に集まって欲しいとのことでした。

顔を合わせると喧嘩になるので、伝統工芸品だけの拝借という苦肉の策を、まだ理解されない様子・・・
狭い地域だけでは立ち上がれない苦しい現実・・・

結局、取材はボツとなりました。


まあ〜その〜

NHKは縦組織の弊害が大きく、民放は視聴率優先のヤラセに走り、
これらの問題は、電波がデジタル化しても解決しそうもありまへん!

今回の取材やスタジオでのドタバタは、三谷幸喜氏の映画「ラヂオの時間」のようなスリリングな展開・・・
局内はブチ大変だと思うのですが、テレビ電波の広報力は低下するばかり・・・

どれだけの人の心に残ったのでしょうか?


大空からみれば・・・

流行歌も映画もミュージカルもイベントも生放送も、
ひとつの時代の小さな風景であり、時の流れに儚く消えゆくものでがんす!

どんな人のドタバタ人生も、矛盾多きシガラミの中で、小さな輝きがあるのかもしれまへん!


ドタバタドタバタ・・・

今回のクラフトフェスタもイロイロとありましたが、無事、終了いたしました。
多くの来場者、関係者の方々に、心からお礼を申し上げます。


結果・・・

×新聞チラシは情報が多すぎてインパクトが弱い・・・
×周遊観光バスの滞在時間が30分と短く、クラフト目当ての御客様には不評・・・
×歴史展からの誘導で、「道の駅」「民俗資料館」や近隣の文化財への周遊効果が無い・・・
○HPが広報資料として有効で、単純なMAILでの告知のみで、新聞・情報誌・テレビ等の取材があった。
○出展者の展示に対する意識が高く、見ごたえがあった。
○動員・売上共、多少アップした。

◎沈没は免れました。


PS

後日、NHKから出演料が振込まれました。

生まれて始めてのギャラは、税金と自腹の駐車料金を引いて¥8,300・・・
ウラ情報では、紅白歌合戦や歌謡コンサートの出演ギャラも、民放に比べてブチ安いと聞いております。

某歌手の事務所に変わりまして、ギャラのアップを陳情いたしますデス。






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