■VOL・112  愛のカタチ   
2006/1

火火 穴窯 ビードロ

「Age36恋しくて」

1996年、柴門ふみ原作のトレンディードラマ
真面目なサラリーマン(中井貴一)は、積極的な秘書(瀬戸朝香)に追いかれられ、
やがて愛に落ちてゆく・・・

美しい妻(田中美佐子)は、身ごもっていたが、精神的に不安定となり、
若い陶芸家(椎名桔平)の純粋な愛に引かれる・・・

彼女は迷いながらも、陶芸家の工房を探し求め、やがて再会・・・
登り窯の炎をバックに、結合される・・・

W不倫の四角関係なのですが、主人公は皆、ある意味純粋で自分に正直・・・
結局は、元のサヤに収まるハッピーエンドでした。

シャランQのスリリングなメロディー「いいわけ」に乗せられて、何故か毎週見ておりました。


作り話に意見しても仕方ないですが、

陶芸家が、不眠不休で炎を見つめ、汗をタレナガシ、神にもスガル、真剣勝負の窯焚きの最中・・・
揺れる炎をバックに交尾するとは・・・
中途半端な陶芸家から見ても、その濡れた情景は滑稽ですらありました。

いくら若くてパワフルで絶倫でも、絶対に有り得ない「愛のカタチ」なのだ!



「火火」 ・・愛を焼き込む・・

川森文化交流センターに所用で出掛けますと、偶然に映画の鑑賞会が始まろうとしており、
薦められたのと、時間があったのと、無料でしたので、片隅から鑑賞させて頂きました。

女流陶芸家の話らしいのですが、教育委員会主催の人権啓発活動らしく、お堅いイメ〜ジ・・・

母は菩薩となり、鬼となり、
不幸にも、若くして白血病に倒れた息子を助けるために、
骨髄バンクの立上げに努力された女流陶芸家「神山清子」の感動の実話でがんす!


予備知識なく鑑賞しておりますと、結構リアリティーのある映像で、
陶芸家にしか解らない仕事の動作と暮らしぶりがある。

・・信楽陶器組合・・

女流陶芸家が珍しかった時代、女性やよそ者への差別があり、逞しくないと生きてゆけない。
陶芸家の夫に去られ、残された子供二人との暮らしは、赤貧洗うが如し・・・
トタン屋根の工房兼自宅で、米のとぎ汁を飲む・・・

・・粘土手びねり成型・・

乾燥具合を見計らい、天候に追われ、ビニールを被せながらの複数同時進行・・・
振り回されるような忙しさ・・・

・・穴窯・・

何日も薪をくべるのですが、オキが溜まると温度が上がりませんので、長い火箸でカキ混ぜ、
さらに溜まると、赤いオキをスコップで掻きだし捨てる。

温度が上がると窯が膨張し、壁や屋根にヒビが入り、
炎が噴出すと、バケツに柔らかめの泥団子を作り、炎めがけて投げまくり、ヒビを塞ぐ。
煙突からも炎が噴出す。


女流陶芸家(田中裕子)の粗野なキャラクターは、誇張に感じられるかもしれませんが、
リアルで、プロ女優の実力を見せつけられました。

プロ陶芸家の演技指導があったのは一目瞭然であり、
頂いたパンフを読みますと、工房も作品も実物であり、神山さんの献身的な協力があったとの事であり、
中途半端な陶芸家から見ても、素晴らしい映像&ストーリーでありました。


振り向けば、四半世紀前・・・

沖縄へ渡る以前に、瀬戸・美濃・伊賀・上野・信楽・丹波・備前と、車で旅した事があり、
神山さんにお会いして、工房と穴窯と作品を見学させて頂いたのであります。

突然お伺いした時、
モンペ姿にゴム長靴、タヌキかキツネの毛皮で作ったチョッキを羽織り、チェーンソーで丸太を切断中で、
そのインパクトある光景は、脳裏に焼き付いております。

その当時、夫とは離別されていたのかもしれませんが、
白血病で亡くなられた息子さんはワンパクな頃であり、穴窯も美しい自然釉のビードロ作品が出始め、
ボンビーでも、陶芸家としては夢と気力の溢れた時代だったのかもしれません。

スクリーンにも写っていた和室に上げてくださり、無造作に並べられた作品の説明までしてくださり、
押しの強さに負けたのでもないのですが、
ビードロ釉のコッテリと掛かった「ぐい飲み」を購入しました。


愛のカタチもいろいろ・・・

スクリーン越しの一方的な再会ですが、親が我が子を思う愛の深さを知り、
想い出をサカナに、その時の「ぐい飲み」に酒を注ぎ、時の流れと戯れる・・・

薪の灰が降り積もって溶けた緑のビードロ釉は原始的で、人の気力と、偶然と、炎の所作でがんす!


う〜ん!

中年オヤジはボケルに任せ、夢も気力も体力も絶倫も、若者には勝てませんが、
偶然の再会と、思い出の深さは、年輪を重ねた特権なのかもしれまへん!


家族の肖像 愛のカタチ 少年よ・自由

「偉大なるエルミタージュ美術館展」

昨年に続いて今年も、広島県立美術館で開催されるのですが、キンキラの財宝には興味がない・・・
されど、当時の権力者と芸術品の関わり、現代の行政と芸術品の関わり・・・
斜めから見つめますと、興味が尽きまへん!

前回のエルミタージュ企画は、「金の馬車」が目玉でしたが、
今回は、フランドル絵画の知られざる巨匠テニールスが目玉とか・・・

指定管理者制度で、公共美術館もウカウカしておれない裏事情もあり、
前回の動員を超えるかが見モノであり、広島の県民性が見えそうでもある。


前回、エカテリーナを勉強し過ぎて、
絶大な権力と、啓蒙文学によるイメ〜ジ戦略と、愛人の数と、家系図のアヤシサを知らされましたので、
単純に芸術作品で喜ぶ気にはなれまへん!

ヨーロッパの有名陶磁器は、セーブル・マイセン・ウエッジウッド・ロイヤルコペンハーゲン・・・
当時の納入価格はかなり安く、お買い上げというよりも献上品でありました。

一方では、エカテリーナ御用達というCM効果は絶大で、売上&利益&株価が大幅アップしたそうで、
商人が権力に媚びる構図が見え隠れしており、
芸術家も権力にすがって生きてゆくしかなかったのかもしれまへん!


今回のポスターの絵画は、アンソニー・ヴァン・ダイクの「家族の肖像」でがんす!

「この絵には平凡だが家族の愛に満ちた幸せな生活をおくる17世紀のフランドル市民が描かれおり、
その幸福感は見る者にも強く迫り、現代の我々にも着実に伝わってくる。」

と解説されているのですが、どうも臭い・・・


愛のカタチもいろいろ・・・

フリフリの衣装は上流階級にしか見えませんし、
泣きながら父を見つめるベビー&温和で優しそうな父の眼差し&気の強そうな母・・・

「うぇ〜ん! お父さん、私は本当に貴方の子供なの?」
「決まってるじゃないか!僕は家族を心底愛しているんだよ。」
「真実を知るのは女だけよ。 ウフフ・・・」

ワシにはそう見えるのであります。


う〜ん!

広島県は今回の動員を分析して、エルミタージュ分館構想の結論を出すそうですが、
継続されればロシア&企画会社が儲かり、さらに分館建設となればゼネコンが儲かる・・・
今回の事業費2億円も赤字が必須であり、今後も黒字の見通しはたっておりません。

芸術作品の癒し効果と観光効果は、目先の収支で計れるものではありませんが、
真実の愛をえぐるような、スルドイ企画が見えてこないのが残念なのであります。



話は変わって・・・

「陶器を越えた愛のカタチ」
最近の風炎窯のキャッチコピーなのですが、気持ちのコモッタ陶器を作りたいという事でがんす!

「愛のカタチ」「愛のカケラ」「愛のカホリ」
これらの言葉は、愛する某歌手の悲しい愛の歌のセリフのパクリですが・・・

ドラマも、映画も、芝居も、歌も、ミュージカルも、文学も、絵画も、陶磁器も、
儚い作りモノですので、虚構があるのがアタリマエ・・・

愛も情も心の機微も、カタチないものはワケワカラン・・・
自分の心の襞さえ、季節と年輪を重ねながら移ろうものでがんす!


熱愛発覚!

先日、愛する某男性歌手の「大人のお付き合い」がフライデーされましたが、
芸能人は難しいお立場であると御同情いたします。

熱烈な女性FANは旦那がありながら嫉妬に燃え・・・
歌詞とメロディーとアレンジと声と風貌と仕草と妄想によって構築された「愛のカタチ」が壊れ・・・
妙な生活感が生まれる・・・

観客に夢を与えるのが歌手ならば、表現は計算されたものであり、
さらに、客観的に自分を見つめる視線が必要で、己の感情に酔うことはできません。

そこには、素顔を隠しておどけて笑う、ピエロの悲しさがある・・・
養育費という男の荷物を降ろされ、「自由」を歌う男心がシミルでがんす!


昨年は、仮面ライダーの主題歌「少年よ」が大ヒットしましたが、
ヒット曲は御本人の努力だけで生まれるものではなく、運を呼び込む前向きな姿勢から、
偶然のように生まれ出るものかもしれまへん!

仮面ライダーも、デストロイヤーも、少年の夢を育む為には、仮面が必要な訳で、
歌手にも仮面が必要な訳であります。


風炎オヤジの場合、某男性歌手に対して、恋愛感情はありませんし、
男の事情も解りますし、男の生き様として尊敬しております。

ひとつの時代の、ひとつの偶然が重なり、ひとつの舞台を見つめているのですが、
虚構でありながらも、真面目に作り込まれたステージ構成には、
表現者の人間性が滲み出るものでがんす!

いつも与えて頂くばかりで申し訳ありませんが、深く感謝しております。


う〜ん!

嫉妬に狂う女性FANにお伝えしたいのですが、真実の愛は見返りを求めないものであり、
チト奥に隠れておりますので、是非、探してつか〜さい!


PS

昨年末、パソコンが不調となり、雪の降る大晦日の16:45にマウスコンピューターにTEL注文したら、
今なら間に合うとかで17:00に発送され、新年2日には働き始める・・・

最近、USENインターネットTVが始まったそうで、好きな時に好きな番組が観れる・・・
便利になったものでがんす!


「サラリーマン金太郎」

暴走族のカシラがサラリーマンになって、建設会社&行政&談合&ヤクザの縦組織と戦うのですが、
体育会系の無償の愛に溢れた性格が人徳となり、運命を切り開く・・・

アニメですので、大げさな作り話ですが、世の中の矛盾をスルドク突いており、
製作者の気合には敬服いたしました。

一編30分で、全20話でしたが、こんな作品があったのかと感動モノでした。


「髪結いの亭主」

成人向けのフランス映画ですが、
インターネットで裏が表になる時代にしては、ソフトな性表現でがんす!

袋トジのチラリズムは、JAPANのオヤジ文化の象徴ですが、
フランスにもこういったエロチシズムがあるのかと嬉しくもあり、微笑ましい・・・


「愛のコリーダ」

女は怖い・・・


「愛のカタチ」

若い女性向けのHowToSex番組でしたので、全然見たくありませんでしたが、
タイトルがタイトルでしたので、タイトルに負けて禁断の扉を開いてしまいました。

性愛のテクニックは解放されても、創意工夫されても、ただそれだけでいいのか!
人は儚く、失恋の胸の痛みは、ただ、じ〜っと耐えるしかないのだ!


愛がすべてさ 時が過ぎ行くのは 全ての人の運命 生きる勇気から明日が始まる・・・
温もりが蘇る時 人はまた涙を浮かべ 滲んで見えている喜びの扉・・・
今、愛はそこに・・・

真実の愛は、いたるところに転がっておりますので、是非、ホジクリ出してつか〜さい!






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