■VOL・111  住宅展示場   
2005/12

三井ホーム ダイニング 和室

安芸の広島の花も木もモミジ・・・ 饅頭までモミジ・・・ 世界遺産の宮島は有名・・・

その対岸にある廿日市市は、瀬戸内海に向かって埋立地が広がり、
輸入木材の集積地として、また住宅関連メーカーの営業所が集まり、
今年4月、最新の「住宅展示場さくらす」がOPENいたしました。

廿日市市のシンボルが桜であり、くらしと重なるネーミングでがんす!


「セラミックギャラリーinさくらす」

陶芸作家の感性と最新モデルハウスの16棟の夢の競演!
一棟丸ごと陶芸家の作品でコーディネートされ、玄関の花器は抽選でプレゼント!
陶芸家による作品の解説!
オリジナル手洗い鉢の特設コーナー!
陶芸教室で表札を作ろう!
テント村での陶器市!
住宅ローン相談会!


「朝日新聞全面広告&B3両面フルカラーの新聞チラシが10万部!」

16名の陶芸家それぞれのコメントと、自画像と、作品が並ぶオモシロ紙面で、
朝日広告社の予算と、デザイナーの気合が素晴らしい!

風炎窯のConcept!
「陶器を超えた愛のカタチ・・・」
「倉敷・沖縄と修行を重ねました。多様な技法や異素材との組合せにより、心伝わる陶器を目指しております。」

誰よりも、主催者の御努力は絶大で、感謝・感激・感服で御座いました。


んが、しかし・・・

お客様の来場はブチクソ少なく、秋の海風と落葉がシミルばかり・・・
すべてが裏目に出ている感じ・・・
切替の早い陶芸家は、防波堤でビールを飲みながら魚釣りを始めるが、それすら不漁・・・
耐熱陶器の実演は、試食者もなく、陶芸家の胃袋に消える・・・

主催者の、胃酸の分泌はブチクソ深刻で、同情に耐えまへん!


その頃・・・

秋晴れの中国山地は、紅葉の真っ盛りで、中国自動車道の各インターは大渋滞・・・
秋の行楽イベントの真っ盛りで大忙しだったとか・・・
都市生活者にとって、これほど紅葉が魅力的であったとは考えさせられました。


「三井ホーム」

魚ぎょギョなヘンテコ陶器を、展示させて頂いたモデルハウスでがんす!

柱の無いツーバイフォー工法は、面構造で地震や台風に強い!
オシャレで高級なイメ〜ジで、洋風のデザインセンスには定評あり!
昔の「吉永さゆり」のCMがよかった!
スタッフの対応も素晴らしい!

玄関・和室・ダイニングと展示させて頂き、
舞台が素晴らしいと、ヘンテコ陶器も生き生きと輝き、幸せそうでありました。


振り向けば・・・

我家も10年前の新築当初は、夢のモデルハウスのような美しさで整理整頓されておりましたが、
捨てることのできない卑しい性格と、ボケの進行で、今では壮絶な状況!

玄関はシマゾーリが裏返り、キッチンは蕎麦粉が飛び散り、居間はパソコンに振り回され・・・
寝室は禁断の袋トジが開かれ、和室は洗濯物が積もり、洗面台にはウスラが溜まる・・・

お客様を迎えられるのは、大掃除あとのイベントの時だけとなってしまいました。


不思議な因縁・・・

こちらの三井ホームの所長さんとは、10年振りで、偶然の再会!

我家の新築時には大変お世話になり、当時は誠実な新米セールスマンでしたが、
スーツの似合う 企業戦士として立派に出世されておられました。

中途半端な陶芸家も頑張ってはおりますが、ボケとウスラは進むばかり・・・
さらには、我家も痛みが目立ち始め、リニューアルの時期を迎えております。


んが、しかし・・・

胃酸がシミル今日この頃・・・ あるべきものが無い・・・

殖産住宅 テラス

「殖産住宅」

我家を建築してくださったハウスメーカーでがんす!

ベテランセールスマンの対応がよかった事に加え、
ベテラン設計士の温和な人柄が重要な要素となり、
三井ホームとの激しい競争の末、破れかぶれのような大幅な値引きが提示され、契約成立!

住宅の値段とは不思議なもので、値切らなくても勝手に安くなるものだと、知らされました。


「住宅金融公庫」

年金だの、高齢者対応だの、金利だの、減税だの、申請だの、ボンビー対策も複雑で、
田舎の弱小工務店は、住宅金融公庫や建築申請の煩雑な事務処理を嫌うのも頷ける・・・

さらに図面を見ながら、細かい要望とコストダウンのテンコモリ・・・
家を建てるための見えない事務処理は大変な労力でがんす!

されど、公庫の中間審査の現場に立会いましたが、あまりにも簡単過ぎるものでした。


工房の隣に建築しましたので、ロクロを回しながら、毎日のように作業風景を横目で眺め、
職人さん達と、挨拶を交わすのが日課となりましたが、
降雪もあり、納期がかなり遅れ、約一年間の建築期間を要しましたが、無事に完成!

後日、レンガ作りのテラスをサービスしてくださり、洗面台も良い物に変更してくださったりと、
最後まで良くして下さいましたが、言い換えれば、最後までウルサイ客であったのかもしれまへん!


それが原因ではないでしょうが、殖産住宅は5年後、バブルのような時の流れに、儚く倒産!
工事中は、たくさんの職人さんが出入りされましたが、
お世話になりました方々は、どうしておられるかは、知る由もなし・・・

ある意味、この世の儚さを知らされますた。


元請 ⇒ 下請 ⇒ 孫請 ⇒ ひ孫請

最近は、JAPAN特有の下請制度の問題点を、肌で感じる事が多く、
ゼネコンは、度々変更される建築基準法や、公庫審査や、住宅保障制度で庇護され、
縦組織がお疲れの昨今では、審査のあり方もアヤシイ・・・

職人達は、現場監督と、図面と、納期に振り回された奴隷のようでもあり、
モノツクリのプライドは曲げられ、作る喜びは希薄としかいいようがありません。

下請大工さんの技術の低下や、手抜きは、個人の責任感の問題でもあるのですが、
ある意味、制度疲労でがんす!

さらに施主は、諸外国に比べて高額の建築資金が必要となる・・・

ゼネコンシステムから各種団体に吸い上げられる上納金が、
誰かの懐に入るのがJAPANの政治システムであり、モノツクリのプライドを蝕んでいるのだ!


さらに昨今・・・

構造計算書偽造による、耐震強度不足マンションの問題も、
姉歯さんやフューザーさんをかばうつもりはありませんが、官民が作り上げた制度疲労でがんす!

業者間の談合と官民の癒着は、不正の温床となっておりますが、
シブトイ縦組織が解体され、JAPANが公とういうアタリマエの良心に目覚めた時、
次の時代が動き始めるのかもしれません!


思うに・・・

ドイツのマイスター制度は、職人の地位を庇護するものであり、
歴史の深さを感じさせるものでしたが、
近年、廃止が検討されるようで、世界的にモノツクリの環境は厳しい・・・

茶道・華道・画壇・書壇・・・
JAPAN文化も縦組織によって継承されてきましたが、こちらも厳しい・・・

それなのに中途半端な陶芸家は、
作り上げる喜びに溢れ、顧客の笑顔にも触れ、美術団体への上納もなく、税務署にも無視され、
ある意味、ブチ恵まれた存在なのかもしれまへん!


んが、しかし・・・

胃酸がシミル今日この頃・・・ あるべきものが無い・・・

室生寺 紅葉 五重塔

住宅展示場での展示が終わり、大阪高島屋での展示が始まり、理由あって奈良へと走る・・・


「室生寺」

奈良と三重の県境近く、大山奥にあるのですが、紅葉真っ盛りで、観光客が溢れておりました。

仁王門・金堂・弥勒堂・天神社・五重塔・灌頂堂・奥の院・・・
平安・鎌倉時代の、いにしえの寺院が、険しい山々に囲まれながら建立されております。

奈良がJAPANの首都であった時代、仏教は外来文化、お経は法律、寺院は大学、仏像は象徴・・・
権力闘争に利用されながら、文化の華が咲き、国宝級の遺産が保存されております。

いにしえの住宅展示場のようでもありますが、
新作陶器は、どうあがいても骨董の魔力には及ばないのと同じように、
最新の住宅が、いかにオシャレな外観で快適でも、年輪を重ねた木造建築には完敗でがんす!


「室生山宝泉窯」

伝統と歴史のある奈良の山奥に、ゲリラな陶芸家が生息しております。

普通の陶芸家の、普通の栞に書かれた、普通の陶歴は・・・
学歴+入選歴+受賞歴+個展歴・・・

普通でない、ここの主の場合・・・
「〜年、思うところあって、公募展の出展をヤメタ!」
「〜年、思うところあって、デパートでの販売をヤメタ!」
「〜年、思うところあって、クラフトフェアでの対面販売で、全国を廻る!」

中途半端な陶芸家の、中途半端な栞に比べれば、切れ味のある文体でがんす!


材料屋 ⇒ 窯屋 ⇒ 問屋 ⇒ 小売店 ⇒ 消費者

JAPAN陶芸界は、
公募展、ギャラリー、デパート、画商と名前は変わっても、伝統の縦組織は産地ほど根強い・・・
陶芸作家の社会的地位も、イロイロな組織の上に成立しており、ややこしい・・・

主が修行した、京都という伝統の土地柄も、縦組織がブチ強力で、
彼の生き方は、「ゲリラ」と罵られたりもしたそうですが、
時代も大きく変わり、それも普通となり、むしろ生き生きとさえ見えるのであります。


ボンビーにもいろいろありまして・・・
うつむくボンビー、無口なボンビー、ヤツ当たりなボンビー・・・

彼の場合、「地平線を見つめるボンビー」であり、曲がった事が大嫌いであり、
それは、中途半端ではありますが、ワシも同じ事だす!

ロクロが途中で止まった工房で、腹を割った男の会話が夜まで続き、貴重なご意見を頂きました。


2006年6月、思うところあって「太田川クラフトフェスタVOL・2」が開催されますが、
その「やまびこホール」のブースには、彼の関西弁がコダマシテいる筈でがんす!

怠慢な行政からすれば「テロ」のようでもある「太田川クラフトフェスタ」の現状・・・
清流と新緑と初夏の風に吹かれ・・・
胃酸がシミルほどに、あるべきものが無いとしても・・・

地平線を見つめる、各地のクラフトマンが集うのだ!


PS

年末を迎え、今年の反省などしながら、年賀状の印刷などしておりますが、
尼崎の脱線と、マンションの構造計算の偽造は、JAPANの縦組織の崩壊を予見しているようでもあり、
考える事は多い・・・

クラフトフェスタの運営はブチクソ大変で、作陶が留守になってしまった感はあるのですが、
得た経験とネットワークは貴重であり、そういう年回りであったと自己分析しております。


反省!

来年の干支のワンコを作る余裕もないのですが・・・ 来年に向けて宣誓するのだ!

夢と現実の狭間をさ迷いながら地平線を見つめ、
チワワのアイフルな視線にも耐えうる、ワンダフルな作品を製作し、
あるべきものを作るのだ!





 Back      Top