■VOL・110 遠くへ行きたい 2005/11
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記念写真 |
撮影風景 |
「遠くへ行きたい」
9月4日、日曜の朝のTVの旅番組に、チト出演いたしました。
散髪したとはいえ、むさ苦しいザンバラウスラな大顔が放映され、
全国の皆様の、休日の朝の爽やかなひと時をブチ壊しまして、
プロデューサー並びに、スポンサーのJRに代わりまして、
深くお詫び申し上げます。
撮影の10日くらい前から、プロデュサーは現地入りし、
裏ネタ情報をカキ集め、構想を練り、タレントと撮影スタッフが4日間もかけて収録され、
東京で編集のち、一月後に30分の旅番組となる。
結構な手間と予算を掛けた長寿番組でがんす!
夜な夜な・・・
新聞とインターネットで世間の動向を研究しておりますが、
TV画面は、NHKの深夜の再放送が、面白ければ観る程度・・・
最近、テレビはあまり観ない生活になってしまいました。
ネボスケにとって、早朝の「遠くへ行きたい」というTV番組はワケワカラン・・・
「林マヤ」さんというタレントは、パリの一流ファッションモデルだったらしいのですが・・・
予備知識もないのではあまりに失礼でがんす!
夜な夜な・・・
ネット検索しますと、結構な長寿番組らしく、
マヤさんも顔をみればあの人かと納得で、風炎カ〜サンはFANであるとか・・・
叶姉妹とは違うタイプ・・・
ひとつの夢は儚くコワレ、また別の夢が生まれる。
撮影当日・・・
報道番組と違い、編集を重ねる番組作りはコダワリがありそうで、
撮影スタッフは、地味ながらモノツクリの雰囲気が漂う・・・
オヤニラミのニラミな会話から始まり・・・
JAPANの未来を変えるかもしれない「太田川クラフトフェスタ」のコンセプトをブチ撒け・・・
風炎オヤジとマヤさんのトークショーの収録は一発OK!
それから展示作品の撮影が始まったのですが、
午後2時から7時までの5時間、4人掛りの丁寧な撮影には、恐縮いたしました。
林マヤさんのサクセスストリーを伺いました。
高校時代、天然パーマを注意する教師にブチ切れ、翌日、アフロになり、スケ番の道を歩む・・・
卒業後、モデル事務所に属すも仕事がなく、お水なフリーターの道を歩む・・・
「遠くへ行きたい」タイプのようで・・・
個性を認めないJAPANに見切りをつけ、パンクの本場イギリスへ飛ぶ!
途中下車のパリで、偶然、有名カメラマンにスカウトされ、ファッションショーの大ステージに立つ!
その時は、アガルこともなく、自分の時代が始まったとの強気な感想で、
そのあたりが凡人ではないと、中途半端な陶芸家は恐れいったのでありますた。
全国放映時・・・
陶器まつりの会期中で「山口きららドーム」に向って、近くの中国自動車道を移動中で、
残念ながら見れず、後日、プロデューサーから、丁寧な御礼の電話&手紙&ビデオを頂戴しました。
JAPANの未来を変えるかもしれない、クラフトフェスタの話をカットした事へのお詫びを申され、
そのニラミなイベントコンセプトには共感したとの事・・・
田舎の暮らし、伝統工芸品、清流太田川、峡谷、滝の風景・・・
爽やかな旅番組には、風炎オヤジのムサクルシイ風貌と、スルドイ会話は、重過ぎたのであります。
メルマガで告知しておきましたので、数名の方からのMAILやTELがチラホラ・・・
ネットでの注文や、遠くから工房へお越しくださったお客様もチラホラ・・・
されど、行列のできる陶芸工房の夢は、儚く消えたのでありました。
振り向けば・・・
人はだれも平凡な日常を離れ、遠くの知らない街を旅する・・・
そして、偶然の出逢いから、真実の愛を見つけ・・・
これまでのアタリマエの平凡な日常に、新たな価値を見出すのだ!
う〜ん!
どこか遠くへ行きたい・・・
9月6日、九州に上陸した台風14号・・・
全国的に大雨災害でしたが、太田川も大氾濫し、
工房裏の8mの護岸は、危険水位を越え、避難勧告が出されました。
流域住民にすれば、数年おきにある事ですが、
時折、ゲンコツのように、太田川の存在に、恐れ慄く・・・
災害は忘れた頃にやって来て、平凡な日常の幸福を再認識させられるのであります。
工房裏の瀬は、地元では「うず」と呼ばれ、
茶色い濁流が、饅頭のような「宮山」にぶつかり、
うず巻きながら、工房裏で逆流となり、流木等のハキダメ状態になります。
工房での被害はありませんでしたが、
流域には浸水したり、流出した家屋もあり、被災者の皆様には心からお見舞いを申し上げます。
「太田川ふるさとフォーラム」
先日、スグ近くの川森文化交流センターのホールで開催されたのですが、
客席は、安芸太田町町民よりも、広島市民の参加が多いようでした。
広大教授をはじめ、各方面の専門家のお話でしたが、
川は文明の源であり、山は信仰の対象であったとか・・・
太田川周辺には石器時代の遺跡があり、
ヤジリの高度な製造技術は、北海道の出土品と同じ技法であり、交流が確認されているとの事で、
風炎工房の向かいにある遅越遺跡からは弥生土器も出土されている。
文明の黎明期から、遠くへ行きたい人がいたのは間違いありまへん!
思うに・・・
風炎工房の裏の太田川は、あまりに身近で、空気のようなもの・・・
24時間せせらぎの音が聞こえているのですが、ワシには聞こえない・・・
美しいと思えた瀬の風景も、15年も住めば感動は無い・・・
日常に埋没して、メクラになっている・・・
流域住民は太田川の素晴らしさに無頓着で、誇りを持つべきとのパネラーの指摘は納得でがんす!
忙し過ぎる現代・・・
便利さを求め、果てしない競争に生きる現代人にとって、環境破壊は日常であり、
母なる川を振り返り、自然を振り返り、生活態度を反省すべきであり、
昨今の温暖化による異常気象は、母なる地球の叫びなのかもしれまへん!
う〜ん!
清流の無言の癒しは、手作りクラフトの存在意義と重なりそうで、
「太田川クラフトフェスタ」のコンセプトにもなりそうな予感・・・
デルタ都市、広島市からみれば、太田川上流は決して遠くではありませんが、
その歴史をタドレバ、遥かな旅路となります。
川が文明の根源であるならば、モノツクリの根源は何なのでしょうか?
作家の社会的地位でもなく、職人の頑固さでもなく、中途半端な陶芸家でもなく・・・
遥か遠くに見えてくるものは、作る喜びと祈りであります。
う〜ん!
どこか遠くへ行きたい・・・
「太田川クラフトフェスタPART3」
10月21日〜23日の3日間、風炎工房周辺で開催されましたが、
今回の目玉は、何んと言っても、長野・山梨の「遠くへ行きたいクラフトマン」の初参加だす!
練込陶器、鉄、石、木、ガラス、染、織・・・ バラエティー溢れる展示がされました。
素晴らしい・・・
「さとう工房」さんの葉っぱのカタチの鉄スタンド花器に、風炎カエルが載り、天然のカタツムリが遊ぶ・・・
しぐれの雨は冷たかったですが、偶然の一期一会の儚さを知る・・・
「石造」さんの石の造形は、太田川の白い花崗岩とは違った趣で、
自然の模様を巧に取り入れ、地球創造の不思議を感じさせるものでした。
「花仙陶房」さんの練込陶器は、32色もの色粘土を重ねて、グラデーションを表現されており、
技術と科学的分析には降参いたしました。
蕎麦打ち伝授!
一昨年、隣町の豊平の「そばまつり」で、高橋名人の手元を見学して、
何となく興味が沸き、ホームセンターで、ビデオ付の「蕎麦打ちセット」を購入して、打つものの大失敗!
以後、道具は押入れの中に眠っておりました。
何でも、蕎麦粉と水の加水率の絶対値を、電子ハカリで正確に量る事と、
新鮮な石臼挽粉のネット購入がポイントで、
陶芸家の場合、菊モミには慣れているのでモミ過ぎない事らしい・・・
おおたまげ!
本よりも、ビデオよりも、親切な実技指導を頂きましたら、
難関とされる十割が初挑戦で、一応食べれる状態になったのだ!
インターネットでの裏技データの流出が、素人の蕎麦打ち向上に、絶大な威力を発揮しており、
あれから毎日打っておりますが、そこらの蕎麦屋以上の旨さだと自負しております。
伝授してくださいました花仙陶房さんは、西の高橋、東の阿部といわれるJAPAN蕎麦界で、
阿部さんの「竹やぶ」の影響が大きいそうですので、
今回の蕎麦は、広島ではカワリモノの蕎麦ということになるのかもしれまへん!
ワシも、来年からはイベントで披露できるように精進いたします。
コラボリ過ぎたかも・・・
クラフトフェスタの前週は、
関東の方々は、福屋駅前店のギャラリーで、陶・鉄・石・木のクラフト展・・・
ワシラは、福屋西条店のイベントプラザで、3大オヤジ陶芸家の夢のコラボ陶芸展・・・
続くクラフトフェスタは、染・織・ガラス・蕎麦打ちが加わり・・・
その翌週と翌々週は、別件で10〜20工房規模のコラボ陶芸展が加わり・・・
それらのDM・チラシ・手紙をマトメテ、太ったクロネコメール便で、1000通発送いたしました。
思うに・・・
コラボは新しい価値の創造と、ボンビー対策であり、
テンコモリ情報の低コスト発送には成功しましたが、
お客様におかれましては、情報が拡散されて解りにくい状況となり、不親切だったかもしれまへん!
次回のクラフトフェスタも、分散4会場&太ったクロネコメール便を画策しているのですが・・・
来年に向けての大きな課題でがんす!
今回、急に寒くなり、天候不順とPR不足で、来客はチト寂しかったのですが、
毎夜の呑み会で、遠くへ行きたいクラフトマン達との交流が持て、ブチクソ感謝でがんす!
ネットワークの時代ですので、遠くへ行ったり来たりしながら、
お互いを高めてゆかねばならぬ時代・・・ その到来を、肌で感じた次弟でがんす!
う〜ん!
どこか遠くへ行かねばならぬのだ!
PS
蕎麦教室も、陶芸教室も、各地で盛んですが・・・
季節だの、湿度だの、偶然だの、伝統だの、歴史だの、微妙だの、アヤシイ秘密のベールが多過ぎるのだ!
インターネットで、ウラがオモテになる時代・・・ 隠すほどでもない場合が多い。
蕎麦仙人も、陶芸家も、
正直に一所懸命生きるか、ウラを隠して神格化するか、難しい時代になるつつある。
石と蕎麦と陶器に凝るのは、死期が近いと聞きましたが・・・
季節のカホリのする機微の世界ですので、ある程度の年輪を重ねて解るものかもしれまへん!
「遠くへ行きたい」のは人間の本能かもしれませんが、
帰る家のない旅はツライもので、病院のベッドで死ぬよりも、我家で昇天するのが人の幸福だす!
死後が無なら、散骨だろうと、野ざらしだろうと関係ありまへんが、
無というよりも、不可解なものであり、宇宙旅行が可能な現代においても、謎ばかり・・・
う〜ん!
中年オヤジにとって、
「遠くへ行きたい」という憧れと、「袋トジを開けたい」という情熱は、好奇心と生命力のスパ〜クなのだ!
そして、スグ開けるのは、スグ近くの押入れの中で、スグ出来る・・・
これも遥かな男の旅路でがんす!
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