■VOL・102  オルゴールの森   
2005/1

レストラン 噴水 石畳

明けましてオメデトウ御座います!
新年早々、今年の作戦など考えながら・・・ 昨年を振り返り楽しんでおります。

行商という名の展示会の旅は、イロイロと遠出が多かったのですが、収穫もそれなりに多かった。
鹿児島でワシのDNAを・・・ 大阪でオタクのDNAを・・・ 八ヶ岳で縄文のDNAを大発見!

されど、露天風呂から富士山を眺める夢は、曇天が続きで、儚く消え・・・
その代わり、河口湖畔の「オルゴールの森」を散歩したのですが、これが好かった。


オルゴールとか、シャンデリアとか、ワインとか、宝石とか、香水とか、ブランド品とか、叶姉妹とか・・・
ワシの育ちでは、ブルジョア趣味は似合いまへんが、音楽は好きなもので・・・

第一印象は、コジンマリした施設ですが、建物&庭園&小物のディテールが本物っぽいだす!
塗り壁・素焼き瓦・石畳・芝生・ポプラ・池・ボート・白鳥・噴水・草花・苔・木陰・・・

観光施設にありがちなハリボテな印象はなく、シックな黒服のコンパニオンは美しく、
建物&庭園の設計も巧みで、いろいろな角度から情景が楽しめました。


レストランの石畳のオープンカフェで、紅茶とフルーツケーキを頼み、ボケ〜〜〜っと佇む・・・

もし晴天ならば、河口湖畔の遠景に、富士山が望めたそうですが、
ヨーロッパの風景には合いまへんので、かえって湿っぽい空気がいい・・・

癒しの演出が巧みであり、ここでは忙しい団体観光ツアーは似合いまへん!


こちらの経営母体は、八王子の「うない」という高級レストランチェーンとかで、
オーナーが一代で築いた観光施設らしく、コンセプトが明確であり、音楽と、湖畔の庭園と、グルメ・・・

ヨーロッパのブルジョア文化と、本物志向の癒しだす!


舞踏会 メインホール カラクリ人形

コレクションが素晴らしい・・・

入口近くの、舞踏会ホールのキンキラキンは、時代を越えても金持ちそうで・・・
正面の壁いっぱいに設置された、ベルギー製のダンスオルガンは、大音量で響きわたり・・・
壁際のカラクリ人形も可愛く動く。


メインホールのステージには、オーケストリオン(自動演奏楽器)が鎮座しており、
それは、オルゴールの小箱ような、ささやかな代物ではありまへん!

20世紀代初頭のドイツ製で、
数百本の木管、金管、大小のドラム、トライアングル等が内蔵されたパイプオルガンで、
ロール紙の穴ポコが記号となり、ふいごで作られたエアの圧力で自動演奏されるとか・・・

究極のアナログ自動演奏楽器ですが、外観は大型の仏壇のようでもあり、
調律や木工の職人技術は、ドイツマイスターの歴史の深さを感じさせるものだす!


大音量のオーケストリオンは、スピーカーも、アンプもない時代においては、貴重な存在であり、
作曲家にとっても、楽曲を後世に伝える有効な手段であり、
当時の貴族はお金を惜しまなかったとか・・・

現代のコンピューター音楽の打ち込みにも似ておりますが、
アナログで、細かな揺らぎまで再現しますので、
楽譜でしか記録できなかった大音量のオーケストラ音楽が、カタチになり始めた時代なのかもしれまへん!


30分毎に、オーケストリオンの自動演奏と、ハンガリーの弦楽四重奏団のナマ演奏があり、
演目は毎回変わりますので、3回も楽しみました。

クラシック音楽は良く解りまへんが、
オーケストリオンの自動演奏よりも格段に、丁寧で、繊細で、マジメで、素晴らしい・・・
ナマナマしい生演奏に、ナマナマしく感動いたしました。

合間に、学芸員らしき青年に、ナマナマしい質問・・・
ワシよりも格段に、丁寧で、繊細で、マジメな方で、名刺まで頂戴しますた。
社員教育もナカナカ宜しいようで・・・


勉強するに、18世紀中頃・・・
音楽は蓄音機の出現で、絵画はカメラフィルムの出現で、価値の大転換が起ったのですが、
王侯貴族も、自らの腐敗と民衆の反乱で、没落の道をたどる・・・
見え隠れしているのは、ブルジョワ文化の光と影だす!

激動の時代は続き・・・
市民革命 〜 産業革命 〜 植民地 〜 ナショナリズム 〜 世界大戦

戦場の兵士の士気を高めたり・・・ 時の権力者の不安を慰めたり・・・
オルゴールやオーケストリオンから流れるメロディーの癒し効果は絶大であったとか・・・


タイタニックに搭載される予定で製作された、オーケストリオンも展示演奏されていました。

運命のイタズラで製作が間に合わず、身代わりに8人の楽師を乗せ出航しましたが・・・
彼らは、乗客のパニックを押さえる為に、最後の沈没まで演奏を続けたとかで・・・
それもシミル話だす!


思うに・・・

栄華を極めた貴族文化は、民衆からの搾取のうえに成立しており、
黒人奴隷や、フランダースの犬のような哀れな話も実話のようで・・・
革命にどれだけの血が流れたのでしょうか?

ホール脇の展示室で、興味深いカラクリオルゴール人形を発見!
黒人奴隷のコンダクターに、シバかれながら、ピアノが上手く弾けない哀れな貴族・・・
スルドイ風刺なのですが・・・ この頃の貴族は、すでに沈没しかけていたのでしょうね。

ボンビーな民衆の勝利はバンザイでがんす!


庭園風景

大きな宮殿に住み、美しい庭園に囲まれ、高級グルメな毎日・・・
果たして、血統を重んじるブルジョアな暮らしが、幸福であるのかは謎でがんす!

何故なら、ボンビーな陶芸家に解る筈もない・・・


過酷な権力闘争は、果てしなく・・・ 権力を持てば、人を信じる事が難しくなり、独裁の道をたどる・・・
かなりのストレスに苛まれていた日常は、容易に想像出来まする。

娯楽の少ない時代、音楽の癒し効果は絶大で、
当時の音楽は単なる娯楽というよりも、精神ストレス療法に裏打ちされたものでした。

現代でも、老人ボケや徘徊にも、音楽療法の効果が確認されております。


そういえば・・・

JAPAN皇太子は、ワシと同級で、妙な親近感があるのですが、
戦争を知らない世代であり、日の丸や天皇制の賛否は難かしい・・・
今年も新年のご挨拶をされたのでしょうが、大変ですね。

国民から監視され、宮内庁から監視され、象徴と言えば聞こえがいいのですが・・・
結構、おツライ立場であると同情いたします。

パチンコも、スピード違反も、アレも、コレも、あんな事も、こんな事も、袋トジも経験できない・・・
裏で支える妃殿下のストレスも大変でがんす!


今のところ、風炎陶器は宮内庁御用達ではありませんし、癒し効果も貴方しだいだす!

傑作の「ふくろうオルゴール」があるのですが、
夢みる貴方の御用達となり、タイタニックの音色が貴方の耳元で流れれば・・・

ウレピーでがんす!

●こちら


PS

丸一日、「オルゴールの森」をさ迷い・・・ 残念ながら、翌日も曇天で富士山は見れませんでした。
小池邦夫の絵手紙美術館と、淡水魚の水族館を見学して帰る事にしました。

途中、山中湖近くで、「忍野八海」という妙な看板に誘われて珍入・・・
無料駐車場の看板があり、車を止めますと、ハンドマイクのオバサンの大声・・・

「帰りにウチで土産を買うと無料で〜す。」

どうやら、富士山からの湧水の溜池が点在しているらしい・・・
歩道には、団子、漬物、ほうとう、蕎麦、うどん、ビール・・・ 藁葺き屋根の土産物屋が並び・・・
その奥に、ドーナツ状の池を発見!

富士山からの地下水がユラユラ涌いており、水は透明で美しく、水草や魚が丸見え・・・
もし晴天で、遠くに富士山が丸見えでしたら、絶景でしたでしょうね!


溜池の中心部は深さ10mあり、橋がかかっているのですが、そこまでの道のりが大変・・・
土産物屋の店内を通らないと行けまへん!
呼込みを聞きながら、カホリに誘われ試食したり、店員の熱い視線に耐えながら、やっとたどり着きますた。

透明な湧水で、池の底まで丸見えでしたが・・・ 土産物屋の下心も丸見えで清々しく・・・
富士山の伏流水の美しさと、不景気風との対比が、シミルだす!





PS 2

思うに・・・

縄文土器は一万年以上もそのカタチを残すのですが、音楽は儚い・・・
レコードの音源は100年の歴史しかなく、ギリシャ時代の楽譜も現存するらしいですが、解読できない・・・

その音色は、時の流れに儚く・・・ そよ風と共に消え去った訳だす!


現代はデジタル時代で、半永久的にデータ保存ができるらしいのですが・・・
良いのか、悪いのか、ワケワカラン!

それにしても、持参したブルジョアなNEWデジカメが使い切れまへん!
露出補正? スポット採光? ISO? RAW? ストロボシンクロ? 
広角28mm〜望遠200mmの明るい高性能ズームレンズらしいのですが・・・
機能が多過ぎて、ワケワカラン!

ワシの脳ミソも過渡期のようで・・・ 偶然、遠近の効いたボケ味が撮影されますた・・・
遠くにボケておりますのは、カラクリ時計の人形だす!

   



画一的な団体観光ツアーは、時代遅れような気がしておりますが・・・
ささやかなモテナシと癒しが、これからのコンセプトかも??
お陰様で、多少解ったのが、観光業界の過渡期ともいえる、光と影だす!






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