VOL・101  縄文土器   
2004/12

八ヶ岳 ダート テント

高校時代の修学旅行は信州でしたが、あいにくの曇天で、山の風景は見れませんでした。
それを根に持ちながら、四半世紀が過ぎた訳で・・・
リベンジの意味もあって、八ヶ岳クラフトフェスタの参加を決めました。

されど、10月9日に関東に上陸した巨大台風22号は、会場の農業大学校の牧草地にストライクで、
いくら、天気予報やネットで確認しても、神に祈っても、コースを変える事は出来まへん!


その日の朝・・・
広島を出発して、景色を楽しみながら10時間ドライブして、会場近くのペンションで宿泊の予定でしたが・・・
巨大台風の真っ只中での、慣れぬ土地での高速運転は、ブチクソ危ない!

仕方なく、出発を遅らせ・・・ 真夜中、台風の後を追うように、名神高速道をヒタ走る・・・
明け方の中央道では、雄大な南アルプスの雲海と、日出が織りなすメクルメク風景は、ブチクソ美しく・・・
脇見運転と睡魔で死にそうでした。


会期中の10・11日は、台風一過の晴天を期待しましたが、残念ながら雨風まじり・・・
会場の美しい芝も、雨水を含んで、「ジュドゥビ、ドゥビ、ドゥビ、ドゥビドゥバ〜」でした。

2WDで、荷物満載の風炎ワゴンは、スタックしまくり、立ち往生3回・・・
後ろから押したり、ムシロを敷いたり、ロープで引いたり・・・
後ろの車に、泥を撒き散らすほどのダートトライアルは、初めての経験でした。

おかげで、風炎オヤジのハッタリ作務衣も、カ〜サンのGパンも、靴も泥まみれ・・・
山の変わりやすい天気と、野外展示の苦労を思い知らされ・・・
大自然に降参いたしました。


全国各地から、250工房の参加でしたが、会場が広いのでゆったり・・・
参加工房は地面に作品を並べたり、キャンプコンロでラーメンを食べたり、車に宿泊したり・・・
キャンプ気分のサバイバルな工房もチラホラ・・・

野外でのクラフトフェスタは初めての経験でしたが、フリマのようでもありました。


地元のお客様が多く、買い物というよりも、山の空気を楽しみに来られた感じで・・・
犬の散歩が多く、まるでドッグショーのようでした。

我家は、行商の旅で留守がちですので、犬は飼えまへんので羨ましい光景・・・
農場の牛舎のウシの鳴き声と、道連れのワンコ達が、妙に幸せそうに見えるのでありました。


それでも新しい出会いはあるもので、登山が趣味のお客様との会話・・・

「遠くから大変でしたね!信州は初めてですか?」
「高校の修学旅行以来ですが、その時も雨で・・・ 山が見えなくて残念でがんす!」

「山は眺めるより、登るのがいいですよ!」

「八ヶ岳連峰の裾野は、富士山よりも広いですので、ひょっとしたら、昔は富士山よりも高かったかもしれません。」
「火山噴火の具合で、ボコボコに分裂して、今のような連峰になったんでしょうね。」
「主峰赤岳は、今見える山の向こうで、ここからは見えませんね!」


「縄文のビーナスを知ってますか?」
「八ヶ岳山麓は縄文遺跡の宝庫で、尖石遺跡の資料館にある土偶は、国宝ですよ。」
「是非、見学して帰ってください。」


縄文土器にはブチクソ興味があるのですが・・・
約5000年前、こちら一帯で縄文文化の花が咲いていたとは、全然知りまへんでした。

どおりで、サバイバルが似合う風土なのだ!


縄文のビーナス 縄文土器 仮面の女神

サバイバルなクラフトフェスタが終わり、暗闇の中で後片付けが終わり、ビジネスホテルで爆睡・・・
翌日、尖石遺跡の近くにある資料館を訪れ、「縄文のビーナス」に御対面!


第一印象は、風炎カ〜サンよりもデカイ・・・ 何もかも・・・

「縄文のビーナス」は、臨月のドン腹の突き出しと、巨大なヒップアップで、安産型のグラマーだす!
ドンブリのような平らな頭で、↑への力が圧縮されて、さらにデコボコが強調されている。

「仮面の女神」は、ダイコン足で△にデフォルメしたボディに、▽の仮面・・・
二等辺三角形は先端に向けて力が働きますので、視線は自然に、真ん中の女陰部に集中するのだ!


土偶は、死者への埋葬品ですが、埋葬の時に壊される習慣だとかで、完品は貴重であるらしい・・・
作為を超越したデフォルメも、祈りにも似た精神世界も、神秘でがんす!

死後、豊かな母体からの復活を願ったのでしょうが・・・
やっぱり、祈り&スケベは、人間の根源なのかもしれまへん!

古墳時代の鎧の埴輪は、戦いのカホリですが・・・
縄文時代の土偶を見ておりますと、平和な豊穣の時代に思えてくるのも、不思議なものだす!


縄文土器の特徴は、何と言っても、縄目模様ですね。

乾燥途中の表面に縄を転がし、粘土を締めれば、乾燥や焼成での割れを防ぐ効果はありそうですが・・・
デコラティブな模様は、それ以上の意味合いがありそうでもある。

模様は、ウズマキ&ジグザグ&△□○・・・
シンプルな組み合わせですが、炎のようなフチのデザインも、メラメラとした高揚力があり・・・
目に見えぬパワーがある。


祭器のようでもあり、煮炊きの実用品のようでもあり、象形文字のようでもあり・・・
考古学者が一生かけても、謎は残るんでしょうね。


モノは空間の中に存在しますが・・・
縄文土器は、カタチの力、空間の力、時間の力を内包して、独特の存在感があり、
科学と経済に振り回される現代人よりも、目に見えないモノへの感覚は、縄文人のほうがスルドイだす!


何故か、こちらの資料館は写真撮影に寛大でした。

思うに・・・
埋葬された事で完結していた土偶を、後世の人間が勝手にホジクリ出して・・・ 
勝手に、国宝にして展示している訳で・・・

もし肖像権や、著作権や、所有権を主張すれば、考古学者は盗人だす!


縄文服 竪穴式住居 漆土器

縄文のサバイバルな暮らしを彷彿とさせる資料もたくさんありました。

木の実の備蓄は、地面の穴倉での保管で、熊のようでもあり・・・
狩猟は、犬を使ってイノシシを追い込む、落し穴作戦・・・
犬は人を裏切りませんが、長い時間をかけて培われた、信頼関係なのかもしれまへん!


縄文服は粗末なムシロをイメージしておりましたが・・・
結構カラフルで、アクセサリーもカッコイイ!

北海道のアイヌ族や、南九州の先住民の隼人族も、縄文服と同じカホリがしますので、
縄文文化は、結構、広範囲だったのでしょうね。

漆で塗られた土器もあったようで、色彩豊かな暮らしだったのかもしれまへん!


時代は流れ・・・

朝鮮半島から、弥生文化が流入し、土器の姿もシンプルに変わってしまいました。
彼らがもたらした、農耕技術の飛躍的な進歩は、現代のクローン技術に匹敵するほどの、激変でしたでしょうね!

八ヶ岳山麓の縄文集落群も、気候の寒冷化によって、その姿を消し・・・
弥生人と出会い、侵略されたか、迎合していったのでしょう。


さらに時代は流れ・・・

諏訪神社の御柱祭は、奇祭として有名ですが、縄文のカホリを現代に伝えている神事でがんす!

山の斜面に大きな丸太を落とし、狂気な男達がそれを奪い争い、ケガ人や死人もでるらしい・・・
7年周期で廻っており、今年も血が流れたとか・・・
勝者は娘にモテルだす!

尖石遺跡の竪穴式住居跡の柱穴跡を眺めて、柱があった頃を想像すれば、
5000年の時の流れが、儚くもシミル・・・

う〜ん!

聳え立つ御柱は、やはり男根の象徴なのでしょうか???


さらに今年は・・・

台風・地震の当り年でしたね! 被災者の皆様には心からお見舞い申し上げます!
工房も、軒のトタンが飛んだり、花水木がコケたり、雨漏りしたりと、多少の被害がありました。

地震や火山噴火のメカニズムや、予知は、現代科学で多少解明されておりますが・・・
残念ながら、人間がその発生を阻止できまへん!
新潟地震の、まるでコンバットのような、サバイバルな情景は、人の無力さを痛感させられるものでした。


温暖化による巨大台風に山が荒れ、人は、熊の出没さえも阻止できないのであります。
これがもし、縄文時代なら・・・ 熊が餌を求めて人里をさ迷うように、人も原野をさ迷うしかない・・・
死物狂で、見えぬ神に祈祷するしかありまへん!

う〜ん!

人間は、もっと、自然の摂理に謙虚であるべきだす!


さらにワシ的には・・・

今回のクラフトフェアのサバイバルな旅は、ブチ勉強にはなりましたが、ブチ疲れました・・・
早い話が、体力の衰えを感じてしまった訳です。

今後、サバイバルなアウトドアは、若者にお任せしようと思うのですが・・・
されど、不思議な事に、ビルの谷間の快適な暮らしだけでは、人は満足できないのも事実だす!

う〜ん!

石油に頼り過ぎたライフラインも、銭への過信も、反省せざるおえない時代が、いずれ来る・・・
慌てない為にも、縄文のサバイバルな生活術に、見習うしかありまへん!


PS

縄文時代に窯はない!
粘土を乾燥させて、枯葉や薪で被って焼いても、700℃位の温度で焼けるのですが・・・
いわゆる「野焼き」と言われるものだす!

JAPANは、世界最古といわれる、一万五千年前の土器も出土しております。

現代は、セラミック技術の進歩でワレナイ磁器も存在しますが、人は年輪を重ねれば儚い陶器を好む・・・
それは、ある意味、民族的なDNAなのかもしれまへん!


風炎陶器は、灯油窯で1260℃で焼成しており、陶器としては丈夫で硬い・・・
風炎オヤジが死んだ後、どれくらい地球上に存在するのでしょうか?

悠久の時が流れ・・・
地面からホジクリ出された、魚ぎょギョなヘンテコ陶器!
未来の考古学者が、「真実の愛」を解析できるかは謎でがんす!

陶芸家は、ボケルに任せ・・・ 中途半端で、きまぐれで、無責任なもので・・・
未来のスーパーコンピューターも、フリーズでがんす!


PS 2

JAPANは島国で単一民族だと、いつかの大臣が申しましたが、大間違いでがんす!

本州に点在していた縄文人は、朝鮮半島からの弥生人に侵略迎合され・・・
南九州の隼人族は、大和朝廷に滅ぼされ・・・
北海道のアイヌ族は、明治政府に迫害され・・・

そして現在、JAPANは一つの国として成立しております。


思うに・・・
沖縄の「縄」は、連なった列島の意味らしいですが、縄文の意味もあるかもしれまへん!

沖縄では、縄文土器や人骨までも出土しており、九州との交易が確認されておりますが、
弥生人の稲作の流入は無く、採取と漁労の暮らしが営まれておりました。

神道や仏教も希薄で、今も生きるユタの鍛冶祈祷は、原始シャーマニズムだす!

土葬に使われた、壷屋の厨子甕(ジーシーガミ)もデコラティブで、縄文土器のカホリがするのだ!
エイサー踊りや、ハーリー祭の派手な衣装やバンダナは、縄文服のカホリがするのだ!
アイヌにも似た、毛深いソース顔は、縄文人のカホリがするのだ!

もしかして・・・
沖縄音楽がシミル貴方は、縄文のDNAが流れているのかもしれまへん!





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