VOL・100  チャンプルー   
2004/11

ポスター

秋の深まりとともに、寒暖の差が激しい今日この頃・・・ 中国山地の朝霧は深く、雲海の季節・・・
霧も集まれば水滴となり、谷川を流れ流れて、太田川に注ぐ・・・

川辺の風炎工房は、谷間の大山奥で、例年なら紅葉に抱かれる頃なのですが、
今年は台風の当り年で、山のドングリも枯渇して、熊の出没が相次ぐ・・・
工房裏の富有柿の実も、哀れでがんす!


この度、太田川上流域の、戸河内町、筒賀村、加計町が合併され、
時代の波に呑まれるように、2004年10月、安芸太田町が誕生しました。

合併しても、人口は10,000人にも満たない小さな町ですが、面積は広く、高齢化率は高いだす!


合併とは難しいもので、お互いの利害の主張だけでは、コジレルばかり・・・
我町の場合、関係者の御努力で、割とスムーズな合併でした。

ボンビー自治体が、いがみ合っていても、将来はなく、さらなるボンビーが待っているだけですので、
背に腹は変えられないのが現実でがんす!


合併を控えた、9月29日
こちらの地域では一番大きい、川・森・文化・交流センターのホールで、「沖縄の夕べ」と題したイベントが開催され、
NHK連続テレビドラマ「ちゅらさん」のおばぁ、平良とみさんの一人芝居が熱演されました。

「太陽の童」

琉球民謡の伴奏が流れ・・・ オバァと孫娘の、心の触れ合いがシミル・・・

平良とみさんは、舞台やテレビ画面からは想像出来ませんが、小柄な方で、
150cmの風炎カ〜サンよりも、ブチ小さい・・・
76歳の御高齢ながら現役で、パワフルな演技には感服いたしました。


潮騒を愛し、古里を愛し、親を愛し、子供を愛し、孫を愛し・・・
戦後の復興を支えた、沖縄女性のバイタリティーと、明るい笑い・・・
忘れかけていた優しさを、思い出させてくれる、心の洗濯・・・

沖縄のオバァ達の逞しさは、元気パワーの源だす!


伴奏の三線(サンシン)から奏でられる、宮古・八重山の島唄は、トラディショナルなもので、
寄せては返す潮騒のように、端正で淡々・・・ 枯れた味わいでがんす!

沖縄音楽がブームとなって久しく・・・ ビギン、ダパンプ、ディアマンテス、モンパチ・・・
そうした今風の沖縄音楽に比べれば・・・ ある意味、地味で物足りないのも事実でした。

こうした琉球民謡は、大ホールよりも、居酒屋や民家で、泡盛を酌み交わしながら楽しむのがセオリーだす!
出来れば、島の風土の中で・・・


う〜ん!

川・森・文化・交流センターのホールで、琉球民謡を聴いておりますと、
音楽と風土との深い関わりを、再認識!

観光旅行ツアーやコンサートホールでは、その土地の暮らしや風土は解らない・・・
都会の方々に、田舎で開催される意味をアッピ〜ルするには、綺麗なホールはチト役不足で・・・
寺や神社のほうが、まだ似合っていたかもしれまへん!


民家 酒宴 フール

芝居の終わった夜・・・
三線の潮騒のメロディーに乗って、思い出されるのは沖縄での修行時代だす!

8年を過ごしたうちの5年は、観光施設の「琉球村」の、陶芸館のお世話になりまして、
琉球民謡や、エイサーや、ハブとマングースの決闘・・・ 地味なアトラクションがありました。


当時、住んでおりました借家は、映画に出てきそうな、古い赤瓦の民家でした。

風呂はなく、便所(フールという豚の餌場)は屋外・・・
仏壇&雨漏り&畑のオマケ付き・・・ 台風の度、雨戸が飛んで、大洪水!

家賃は¥10,000の格安物件で、沖縄でも珍しい、トラディショナルな家屋で、寝に帰るだけの生活・・・
会社のシャワー室と、近くの公園の公衆トイレには、大変お世話になりました。


劣悪な環境を知った、風炎カ〜サンのオジィは、毎日食事に来るように言われ・・・
お言葉に甘えまして、結局、2年間も実家のお世話になり・・・ タダ飯、タダ酒、タダ家賃・・・

アツカマシイ、ボンビーな居候でした。


風炎カ〜サンの実家のオジィは、若い頃、宮古民謡の大先生の下で、民謡歌手を夢見ていたらしく・・・
毎夜、泡盛を飲みながら、三線を弾いておられました。

沖縄方言(ウチナーグチ)は、島や集落ごとに違いまして、宮古島の方言は、風炎カ〜サンですらトンチンカン!
正直なところ、英語が苦手なワシですら、英語のほうが解り易い・・・


土曜日の夜・・・
ワシは、いつものように残業して、10時頃の帰宅なのですが・・・
親戚のオジサン達が集まり・・・ 泡盛飲んで、酔っ払って、三線を弾いておられる事が多い・・・

酒飲めない! 方言解らない! 会話できない! 居候の身には、辛ろう御座いました。


飲み過ぎた夜・・・
スローで、淡々と端正な三線を弾くオジィと、
アドリブが得意で、技巧派のオジサンとの間で、民謡論争が勃発いたしました。

意味不明ながら、そこら辺の酔っ払いの喧嘩にしては、レベルの高いお話のようで・・・ 芸術のカホリ・・・

沖縄は、やはり芸能の盛んな土地柄でがんす!


普通の夜・・・
アチコチの民家から三線の音が聞こえ、真夜中から民謡酒場のステージが繁盛し、朝方までやっている・・・
沖縄に風営法はございません!

居候にも風営法はなく・・・ 風炎キッズ1号がデキッチャタのも、自然の摂理でがんす!


デキチャッタ夜・・・
オジィは、結婚式(ニービチ)の余興で、ワシに三線を弾くように命令されまして、楽譜を頂戴しますた!
多少、フォークギターでローコードくらいは弾いておりましたので、何とかなるかと思いましたが・・・

九九四(クンクンシー)という楽譜は漢字! 音階も変! フレットがない! 断れない!
居候の身には辛ろう御座いました。


地獄の特訓・・・
「娘ジントヨー」という島唄は、映画「火宅の人」の挿入歌でもあり、
明るいメロディーで、美しい島の自然に抱かれているのですが・・・ 悲しい恋唄でシミル・・・

祝いの席に、相応しい島唄ではありませんでしたが、気にしないのが沖縄でがんす!



ニービチ当日・・・
広島の田舎の寺での、質素な結婚式でしたが、パワフルな琉球の風に、浄土の親鸞さんも、おおたまげ!

親戚のオジサンのバック演奏に支えられて、何とか弾き語りましたが、忙しかった記憶しかない・・・
最後の締めは「カチャーシ」という踊りがあるのですが、全員参加の無礼講のヤケクソ踊り!

シャイな広島の田舎者は圧倒され、降参いたしました。


カチャーシとチャンプルーは語意が似ており、かき混ぜるという意味とか・・・
チャンプルー文化は、海洋交易で栄えた、沖縄文化の象徴だす!

青い空と海との水平線・・・ 遥か彼方のニライカナイを見つめながら・・・
よそ者を、優しく受け入れる懐の深さがあり・・・
亜熱帯の気候と、中国・朝鮮・東南アジアとの交易で、独特の琉球文化が育ったのだす!


振り向けば・・・
安芸太田町は、中国山地の狭い谷間で暮らす農耕民族・・・
沖縄とは対極の風土であり、よそ者には厳しい土地柄・・・
夏暑く、冬寒く、朝早く、夜も早い・・・


帰って15年になりますが、村の居酒屋やスナックには、まず行きまへん!

何故なら・・・ 挨拶すべき人も多く、村内ギャルには手を出せない・・・
さらには・・・ 深夜のコンビニで、アヤシイ袋トジの本も買えない・・・
さらには・・・ 困ったレンタルビデオ屋もありまへん!

人の目という、田舎独特の風営法が、ブチクソ厳しいでがんす!


JAPANはこれから平成の大合併を迎え・・・
道州制への移行も画策され、やがて合併は県境をも越える。

今度の合併はある意味、チャンプルーなのですが、沖縄に見習うべき所は多いだす!


フットワークの悪い、行政システムを簡素化をするメリットはあるでしょうが・・・
一方では住民サービスの低下の不安もある・・・

先日、新町の町長選挙が激戦のうち終わりました。
地元からの当選を、村人は願うのでしょうが・・・
一人一人が、自分の利害を超えて、JAPANの将来を真剣に考えるべきであり・・・
首長には、広い視野とリーダーシップを望みます。

ハコモノで人は幸福にはなれまへん!


思うに・・・ JAPANは、銭依存症という病気なのかもしれません。

沖縄は、県民所得も低く、国民年金の加入率も悪く、ボンビーなのですが・・・
されど、心豊かで、何よりも子沢山・・・
オジィやオバァは偉大で、家族から尊敬されている。

事実、風炎カ〜サンも5人兄弟で、沖縄の実家は、たくさんの孫に囲まれ幸福そうだす!

沖縄のオバァ達は、お金よりも子供の笑顔のほうが大切なのは、良く知っておられ、
幸福とは、その辺のアタリマエの愛なのかもしれまへん!


う〜ん!

住宅環境や教育費・・・ 荒れた学校・・・ 子育ての苦手な母親・・・ 忙し過ぎる現代・・・
その先に見えるのは、殺伐とした未来のようでもあります。

このままでは、、都会と田舎の格差、貧富の格差、情報の格差は、広がるばかり・・・
今回の合併が、心豊かな交流が芽生える礎になりますように願っております。


思うに・・・
過疎地にとっても、都会にとっても、少子化対策は明るい未来への重要課題であり、
新町におかれましては、更なる取組みを期待しておる次第だす!

良し! ワシもチバルぞ! 今夜あたり、風炎カ〜サンに陳情!

我家の風営法の改正と、袋トジの開放を・・・


PS

広島の球団といえば、赤ヘルの広島カープ!
キャンプ地は沖縄コザ市ですので、沖縄との縁も深い・・・

地域密着のボンビー経営ですので、セコク、シブトク、アツカマシク、小回り野球が持味!

ボンビーゆえ、安く若手を育てる努力もされましたが、
大物に成長されますと、金に流され、ジャイアンツに流れた選手も多い・・・


昨今のプロ野球リーグの混迷も、JAPAN高度成長を支えた、一時代前のシステムの歪のようで・・・
老害・金権ジャイアンツが、スポーツの楽しさを半減させている・・・
それに頼って、群がっている他球団も冴えない・・・

それは、JAPANの派閥政治にも似ている・・・


IT企業の参加が、疲弊したプロ野球の再編成を促しているのも、時代の流れのようですが・・・
これからの価値観の多様な時代に、JAPANの全てが、プロ野球FANになる事はありえまへん!

ボンビーなりの上手な、お金の回し方が、今後のキーポイントのようで・・・ 目指すはスリムな経営!

それは、JAPANの派閥政治も同じ事・・・
チャンプルーされて、いい味を出すには、もう少し時間が必要なのかもしれまへん!


PS 2

「太田川みこし連」という組織があるのですが、流域の事を考える会だす!

月に一回程度、川・森・文化・交流センターの会議室に集合するのですが、参加は4〜5名程度・・・
気が向いた時だけ参加させて頂いております。


今回のイベント、「沖縄の夕べ」にも後援させて頂きました。
ポスターやチラシでの告知、チケット販売、会場準備、駐車場整理・・・

ロビーでの沖縄クラフトの展示と、ステージ上で出演者への花束贈呈が、風炎オヤジ&カ〜サンの仕事・・・
目立つ事は好きでありませんが、目立ってしまいました。


この組織の良い所は、役職も会費も規約もなく、参加も個人の自由!

こうした柔軟な組織が、これからのトレンドになりそうな予感・・・
これまでの、補助金頼みの行政主導のイベントで、地域が起きたでしょうか???


只今、画策中の「太田川クラフトフェスタ」の組織づくりも、こちらの会の影響がありまして、
ボンビーなりに、楽しく参加出来るシステムづくりを目指しております。

個人の考え方はバラバラですのでマトメルのは不可能なのですが・・・
中途半端なハコモノ事業で、観光客が溢れ、ボンビー自治体の財政が潤うとは思えまへん!

田舎には、お金で計れぬ価値がありますので、
大自然に抱かれ、御客様を真心でもてなす・・・ ただそれだけで、幸せと思える、心豊かなボンビー暮らし・・・

田舎の風営法が改正される日も近い・・・






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