VOL・99  オタク   
2004/10

古本屋 ガンダムビル 日本橋

夏のアテネオリンピックは、JAPAN選手の大活躍とメダルラッシュで、国民も深夜テレビに釘付けでしたが・・・
連日の猛暑と、熱帯夜と睡眠不足とで、夏バテ・・・

オリンピックと猛暑と不景気が重なれば、暑苦しい商売は、厳しいのが定説でがんす!


その頃・・・ 大阪高島屋の7F催事場では手作り展の真最中でしたが・・・ チト暇・・・
それでも、風炎カ〜サンは、死物狂いで接客中!

風炎オヤジといえば、暇を見つけては、昼食や休憩で、チト売場を抜けるのですが・・・
サボリといえばサボリのようでもある・・・


大阪市内を南北に貫く御堂筋・・・

南の終点の難波に高島屋があり、歌舞伎座、よしもとNGK、法善寺横丁、かに道楽、ずぼらや・・・
一筋違いの堺筋を、さらに南に向かいますと、通天閣、新世界、ジャンジャン横丁、天王寺動物園・・・

大阪が、一番大阪らしいエリアでがんす。


日本橋といえば家電店が集積しておりますが、
10年以上もこの街を見ておりますので、妙な親近感と、時代の流れを感じてしまいます。

三種の神器の白物家電に憧れ・・・ ラジオ・テレビ・オーディオに憧れ・・・ デジタル家電に憧れ・・・
エレクトロニクスの進化は果てしなく、
それらを手に入れますと、人は何を求めてさ迷うのでしょうか?


オリンピックの期間中は、薄型の大型テレビやDVDの、デジタル家電の販売が好調のようでしたが、
閉会式も終われば、反動で価格の下落は必至ですので、
そろそろDVDを物色中でがんす!


日本橋界隈は、長引く不況と、価値観の多様化と、量販店のビッグカメラのビッグな出現で、価格競争は激化・・・
シャッターの降りた家電店もチラホラ・・・

その隙間から、タクマシク芽生えておりますのは、いわゆる「オタク」の店でがんす!


テレビゲーム・キャラクターグッズ・プラモデル・フィギュア・パソコン部品・・・
さらには、中古CD・中古レコード・古本・ジャンク部品・リサイクル品・・・

ついには、ガンダムビルが出現!

店内はガンダムだらけで、子供天国かと思いきや、30代の男性が溢れ・・・
価値観の多様な時代を反映しているかのように、オタク文化は、さらに奥深く進化しているのかもしれまへん!


風炎オヤジの場合・・・
某歌手の中古レコードコーナー&某漫画家の復刻コーナー&人間ウォッチング

オタクの街の、オタクの店の、オタクの棚の、ゴクゴク一部で、満足しているのですが・・・
言い換えれば、本格派のオタクなのかもしれまへん!


「オタク」という言葉が使われだしましたのは、オヤジ世代にすれば最近の事で・・・
幼少期は「キチガイ」、少年期は「マニア」、気が付けば「オタク」、次には何が待っているのでしょうか?


元来、陶芸家は内向追及型の性格でありますので、おたくっぽい性格でがんす!

昔作った、復刻プラモデルを発見しては、プラキチ少年の夢が蘇えり・・・
懐かしい、ハイジのフィギュアを発見しては、アルプスの山の空気が蘇えり・・・
色褪せた、某漫画家の残酷物語を発見しては、重苦しい青春が蘇えり・・・
擦り切れた、某歌手の中古レコードを発見しては、愛の妄想が蘇えり・・・


思うに・・・
オタクの街をさ迷う、中年オヤジの小さな旅は、
疲れを知らないあの頃の、忘れかけてた夢色の、トキメキ探しの旅なのかもしれまへん!

忙し過ぎる男の荷物をチト降ろして、一休みなのですが・・・
サボリといえばサボリのようでもある・・・

電気自動車 セドリック レビン

アテネオリンピック、高島屋の展示会が終わり・・・
9月になっても猛暑は続き・・・ 福屋西条店1Fでの展示会も、チト暇な状況が続く・・・

それでも、風炎カ〜サンは、死物狂いで接客中!

風炎オヤジといえば、暇を見つけては、昼食や休憩で、チト売場を抜けるのですが・・・
サボリといえばサボリのようでもある・・・


暇つぶしに、西条プラザ2Fのオモチャ屋で、遊び心の研究・・・
プラモ、ミニカー、チョロQ、フィギュアの専門店でがんす!

そこでニラメッコしておりますと、偶然、同世代のオヤジ陶芸家と出会い、意気投合!
彼の場合、ニラメッコだけでなく、ミニカーを8台と仮面ライダーを購入されました。


そのオヤジ陶芸家いわく・・・
「ミニカーは、古くなると値上がりするので、預金金利よりも儲かる。」
「実車にお金つぎ込む余裕がなくなったので、ミニカーで我慢している。」

聞けば、数百台のコレクションがあるとか・・・

「昔の車は個性があったし、夢があった。」
「以前は車が30台もあったけど、廃車にしたり、売ったり・・・ 工場が狭くなったもんで・・・」

聞けば、今でも、十台の実車コレクションがあるとか・・・

売場は、死物狂いの風炎カ〜サンに任せて、安芸津にあるオヤジ陶芸家の工房へ車を走らせますた!


おおたまげ!
鉄骨でブチ広い、ブチ立派な工房で、200坪はありそうだす!

1Fは、10台ものポンコツ車にシートが掛けられ、整然と並ぶ・・・
初代RX7、初代マーク2、サニーGX5、カローラレビン、セリカLB、ミゼット、セドリック・・・
レストア中のパーツが並び・・・ 片隅に窯がある。

2Fは、売れ残り在庫の大量のタコ壷・・・ ミニカーコレクションが並ぶタンス・・・ 片隅にロクロがある。

大きな工房は、オモチャ箱のようでもあるし、ゴミ箱のようでもあるし、タイムカプセルのようでもある。


こちらの工房は、瀬戸内海の海岸にあり、素焼きのタコ壷が専門でがんす!

こちらのオヤジ陶芸家は3代目で、
初代は、大きな登り窯でタコ壷を焼きまくり、自前の船で、瀬戸内・四国・九州の漁村を、海賊のように売り歩き、
一財産を築かれました。

されど、タコ漁法も変わり、タコ壷の需要は消滅・・・
売れ残りのタコ壷と、壊れかけた登り窯は、時代の転換期を迎え、次の生き方を模索されておられる様子・・・


車好きも血統のようで、3代目は立派な車オタクでがんす!
サボリといえばサボリのようでもある・・・

プラモデル 中古レコード チョロQ

我家の押入れには、ロータスセブンのプラモと、某歌手のレコードと、フォークギターと、
ハイジの原作や残酷漫画が、整理整頓されずに重ねてあるのですが・・・

風炎カ〜サンが、死物狂いで掃除しても、片付く事もなく・・・ コヤシ状態・・・
他人が触ると、行方不明なるので、整理整頓はしない・・・
サボリといえばサボリのようでもある・・・

風炎キッズも、理解できない、オトコの世界だす!


振り向けば・・・
人は誰も丸裸で生まれ、親の庇護のもとで、大人になってゆくものでがんす!

母親のボインを吸いながら、タレナガシ・・・
疲れを知らない少年期たちは、未知の夢に憧れ・・・
社会人になれば、楽しい筈の仕事が、責任と義務になり・・・
結婚すれば、さらに荷物は重い・・・


いつの日からか・・・
疲れ果てた男の背中は悲しく・・・ 少年の夢を懐かしみ・・・
ボケルに任せ・・・ 子供に帰り・・・ 土に帰る・・・

中年から始まるオヤジコレクションは、日常からの離脱と、あの日の記憶と、時の流れの儚さを内包して、
疲れた自分へのルネッサンスなのかもしれまへん!


まあ〜その〜
男の一生とはこんなもので、それを許せるのが母性愛というものでがんす!

死物狂いの愛に支えられて・・・ 風炎オヤジはロクロを回し、窯を焼き・・・ そして、行商の旅に出る。
結局、福屋の最終日・・・ 広島限定のヒロデンバスと、初代セリカのチョロQを購入してしまいました。


デフォルメされたデザインと、細かい塗装と、遊び心・・・
風炎キッズ御用達の通学高速バスですので、彼女がオバアサンなった頃、懐かしい感情が湧くのでしょうか?

懐かしい70年代の、レトロ車のチョロQは、
レザートップ、ボンネットの黒塗、デカフォグ、オーバーフェンダー、ストライプ、マグネシウムホイール・・・
時代を彷彿とさせるコダワリがシミル・・・

ハマリそうでがんす!


思うに・・・
お金無しでは生きて行けない、悲しい時代を生きておりますが、
お金で計れない価値あればこそ、心のゆとりも、癒しもあるのだす!

捜してつか〜さい! 風炎陶器のコダワリを・・・
ハマってつか〜さい! 死物狂いの愛に支えられた、遊び心と隠し味に・・・

おっとっと! サボってばかりはいられまへん!


PS

その昔・・・
JAPANプラモメーカーの金型精度は、タミヤ模型が群を抜いており、
外国メーカーは、イマイチ物足りないモデルが多かった。

プラモデルは、JAPANの高度成長を支えた、モノツクリ技術の象徴のようでもありましたが・・・
現在は、金型技術の流出と、人件費の安さで、中国製品が台頭しております。

小さなプラモデルの小さな部品一つに、その国の経済と活力が感じられるのですが・・・
それは、車産業も、ファッション業界も、陶器業界も、同じ事だす!


振り向けば・・・
JAPANは、世界屈指の陶芸大国ですが・・・
量産陶器はもちろん、和風陶器や、侘び寂びの感性の世界にまで、中国製品が介入しております。

中国文化が、濁流のように流入した時代もあった訳で・・・
現在は逆流している訳で・・・

これも、大いなる自然の摂理なのかもしれまへん!


PS 2

人は誰も、多少のコダワリがあり、人それぞれの価値がある・・・
価値の解らない人にすれば、オタクはアヤシイ世界だす!

本人は幸せでも、あまりに深入りすれば、変人でもあり・・・ 最悪の場合、犯罪者になる場合もある。

インターネット全盛の現代・・・
一人でモニターに向かう背中は、孤独で寂しく・・・ アヤシイMAILや、画像や、情報が溢れている。

現代は、ネットにからむ犯罪もチラホラ・・・

夜のネオンを旅すれば、ピンクな呼込みの向こうには、怖いオニイサンが隠れている・・・
出逢い系MAILの呼込みの向こうにも、怖い何かが待っていると想像できるのは、風炎オヤジの人生経験だす!


その昔・・・
テレビを囲む家族の団欒は、微笑ましい光景・・・
テレビの見過ぎは目に悪いと言われ、宿題しろと言われても、加トチャンの「チョットだけよ」は見逃せない。

大人の世界のアヤシサを知らされたのが、昭和の歌謡曲・・・
神楽坂ハンコの「芸者ワルツ」と、伊藤ゆかりの「小指の思い出」と、布施明の「恋」・・・
不思議なものでした。


青江三奈の「伊勢崎町ブルース」の「ア〜ア〜」で、愛のタメイキを知りましたが・・・
中年になって初めて、死物狂いの、「愛と涙」を知らされました。

「ジュドゥビ、ドゥビ、ドゥビ、ドゥビドゥバ〜」

解る貴方は、結構なオタクだす!






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