■VOL・95  長崎チャンポン   
2004/6

北川 フランチャイズ


3月の福岡マリンメッセでの「全国陶磁器フェア」は、チト不調な結果に終わってしまいました。

何でも昨年末に、近くの福岡ドームで、同種のイベントが終わったばかりで、
動員が減ったとの分析が、出展者達の共通の感想でありました。

福岡県は陶磁器のメッカですが、小倉を含めて、2〜300ブース規模の陶磁器フェアが、年3回もありますが、
首都圏ですら年一回・・・

確かに満腹状態なのかもしれまへん!


満腹といえば、旅の楽しみのひとつは、外食であります。

宿泊先の近くにある、中華「北川」は、安くて、テンコモリで、何より味がいい! 毎晩、同業者を誘って満腹!
中国人らしきウエイトレスの、タドタドしい博多弁が可愛らしいく、美人でした。

5日間の連食で、体重増加に加えまして、売れ残り作品も多く・・・
帰りのワゴン車のサスペンションも沈みがちでした。


我家は、田舎ですので、周辺には数軒のレストランしかありませんが、滅多に外食する事はありまへん!

良く行く、山陽道の広島IC周辺は、郊外型ショッピングセンターが集積しておりまして、
工房から、車で1時間弱ですので、月に数回は訪れております。

家電店、スポーツ店、本屋、ホームセンター・・・ ありとあらゆる物に溢れ、外食産業もテンコモリ!

DEODEOの前には、トンカツ屋、うどん屋、チャンポン屋がありまして、それなりに繁盛しております。


長崎チャンポンは、倉敷で陶芸修行しておりました20才頃、始めて食べたのですが、
不思議な麺類といった印象で、特に美味しいとは思いませんでした。

というよりも・・・ 当時、味に対する哲学というものはなく、何が美味しいかも解りまへんでした!

回転寿司が出現したあの頃が、フランチャイズ外食産業の、黎明期だったのでしょうか?


先日、キッズと久し振りのお買物!
Tシャツ、Gパン、参考書、ビデオ・・・ 本、マウス、メモリースティック・・・

DEODEOでパソコン用品買いすぎて、金欠なくせに腹が減り、美味しそうな「トンカツ980円」にチト悩み・・・
隣の、「長崎チャンポン390円」の幟旗に誘われ、店内へ・・・


実は、今回で3回目の来店でおます!

全国フランチャイズの小さなSHOPですが、自動ドアが開きますと、可愛いギャルの営業スマイル。
着席しまして・・・ 季節の特製豪華チャンポンにも、迷わされましたが・・・ ただのチャンポンを注文!


カンター越しに厨房が見え・・・ ギャル3名での調理、合理的でコンパクトなレイアウトで無駄がない・・・

麺の茹で具合は、タイマー管理されており、時間がくると、青いパイロットランプとブザーでお知らせ・・・

もやし、キャベツ、豚、海老、イカ、かまぼこ、いんげん、人参、コーン・・・
具は始めから、袋に小分けされており、自動回転ドラム式のフライパンに投入・・・ こちらもタイマーでの管理。

当然、スープも何処かで、一括調理されている筈で、絶妙な味で、バラツキがない!

う〜ん!

このような管理された調理システムでは、腕の良い調理人は、出る幕もありまへん!


出されたチャンポンは、ボリュームもあり、
野菜の炒め具合もシャキッ・・・ 太麺の茹で具合も絶妙・・・ スープも美味しい・・・ 感動!

こんなに美味しいものかと再認識いたしますた!


先日の事ですが・・・

ラーメン屋が潰れて、チャンポン屋に転身したSHOPを発見して、興味もありまして入ってみました。

OPENで忙しく・・・ 先ほどのSHOPより広くて、座席も多い・・・
駈けずりまわる店員は汗だく・・・ 厨房のオヤジも汗だく・・・ 待ち時間も長くてイライラ・・・

出されたチャンポンは、チトまずい!
野菜に油が回りすぎてギトギト・・・ 炒めムラがあって焦げ味・・・ 個人的には濃過ぎるスープ・・・

そのSHOPの前を、よく車で通るのですが、最近は暇そう・・・

あの汗ダク調理人さんは、炎の中華フライパンをガチャガチャ、今でも回しておられるのでしょうか?
競争の激しい外食産業は、システム一つで味に差が出る事を、実感・・・

ブコツな調理人の微妙な立場には、考えさせられる事・・・ ブチ多し!


回転すし ビックリねぎトロ


安いが取得の回転すしも最近は、二極化されているようだす!

キッズと行く場合・・・ ¥100均一の安い店で、多少マズくても、まあ〜納得して食べる。
デザートも豊富で、満腹でも安く、ゆえに安心!


一方では、毎日のオススメネタあり、新鮮な高級魚ありの、高級店もある。

可部バイパス沿いのある店は、びっくりネギトロが名物で、¥180だす!
¥120〜¥500くらいまであり、皿のデザインも多い。

風炎オヤジの場合、
青物が好きで、アジ、いわしを2皿づつ・・・ 納豆、エンガワ、ネギトロ、中トロ・・・ 最後に、うに・・・

たくさん、種類があるのに、不思議と同じネタばかり、食べている。

実に旨い!


この店の場合、手で握っておりますし、何回転かして、鮮度が落ちた場合、廃棄処分しております。

チラと、暖簾の陰を覗いておりますと、モッタイナイのですが・・・
わざと見せているパフォーマンスのようでもあり、只今、研究中でおます!


こうした外食産業の努力のおかげで、ワシらのようなボンビーにも、グルメが堪能できるのですが・・・

こうした店と、活きのいいねじりハチマキ職人のいる高級店との攻防戦も、興味があるのですが、
高級店にあまり行けない、中途半端な陶芸家は、チト悲しい・・・


今までで、一番の高級店は、名前は忘れましたが、名古屋の御園座近くの老舗で、展示会のおり、食べました。

廊下を渡って、奥の和室で、坪庭眺めて、ゆっくりと・・・ 仲居さんが運んで下さるのですが・・・
さほど記憶に残る味でもありませんでしたが、地方性があるのかもしれまへん!


博多駅の地下街の角にある、回転すしの焼アナゴは、注文を受けてから焼いており、
大きくてアツアツで、旨かった!

小倉と門司の間の、海沿いの、国道沿いにある、うどんと回転すしの店の、うにはブチクソ旨い!
さらに、¥250と安い!


振り向けば・・・ 風炎工房入口のアルミサッシは手動ですし、照明スイッチはセルフです。

ギャラリーの展示台は、ライトアップしますが、回転しておりませんし、
正直価格と自負しておりますが、感じ方は人それぞれ・・・

奥の倉庫には、廃棄できない古い作品が、溢れている・・・
お客様はホッタラカシで、お茶の出る事は、稀でがんす!

何より、工房奥で作陶中の風炎オヤジは、ブコツで活きが悪い・・・


う〜ん!

ヘンテコ作風は、オヤジに変わって、ギャルでも作れるシステムの構築は、不可能でがんす!
完全に、時代の波に、乗り遅れているのかもしれまへん!


昨今の、JAPAN陶芸界・・・ 手作り職人の作る食器は、チト苦しい!

手作りのようで手作りでない・・・
機械化された手作り風の陶器のほうが、シンプルで洒落たデザインで、現代生活にマッチしている事が多く・・・

コストパフォーマンスにおいては完全に負けている。


う〜ん! う〜ん! う〜ん!

残るは・・・ 真実の愛のみか・・・

されど、風炎窯の魚ぎょギョ達・・・ ブチクソ元気で、活きがいい! 飛び跳ねてやるぞ!

いらっしゃいませ!


PS

味の好みは個人差と地方性があるのも事実!

一昨年の秋、岐阜県多治見での展示会がありまして、九州からの陶芸家たちと外食をしました。

名古屋といえば、味噌カツとコーチンとキシメンと外郎・・・ 相談しまして、味噌ニコうどんに、決定!

地元の方に、隠れ名物店を御教授頂きまして、9時に閉まるとかで、直行!


国道からエラク奥まった、住宅地の一角・・・ 綺麗な店ではありませんでしたが、地元の方々で、大繁盛!

いかにも隠れ名物店らしき風情・・・ 期待に胸膨らませ・・・ ニコニコ登場!

鍋焼きでグツグツ、濃そうなスープを一口・・・ 全員無言! 辛くて、濃くて、酸っぱいような、強烈な味!
周辺の方々は、美味しそうに、スープを飲み干している・・・ 不思議???

早死にしそうな味でがんす!


陶器にも、人間にも、味覚にも・・・ 土地柄がある事を、実感したしだいでおます!

大阪人は堂々と値切りますが、名古屋人はヒソヒソ小声で値切る・・・
名古屋の土地柄は、見栄とケチが同居したような、強烈な個性を感じましたが・・・ 研究します。

ブコツな広島人は、のらりくらりとかわすのですが、シツコイ場合、切れる・・・ スマンのう!


PS 2

野菜炒めのように、何でも混ぜて炒めた料理を、沖縄ではチャンプルーといい、
豆腐チャンプルー、ゴーヤチャンプルーなど、いろいろ・・・

チャンプルーの語源は、マレー語で、バリ島にあるらしいですが、
チャンポンの語源と、ひょっとしたら同じかもしれまへん!

そいいえば、テンプラ、カステラは、ポルトガル語とか・・・


長崎といえば出島。

ポルトガル・オランダ商人や宣教師との南蛮交易で、西洋文化の華は咲きましたが・・・
彼らは、キリスト教の布教と、鉄砲と、商売の駆け引きで、戦国の時代に大きな影響を与えました。

進んだ文化が流れ込み・・・ 反して、隠れキリシタンへの悲しい弾圧。

それでも、強烈な個性の大閣秀吉は、味噌ニコうどんを、ニコニコ食っていたのでしょうか?


大航海時代、スペインから押し出されるように、
命がけで海を目指すしかなかった、ポルトガルの悲運の歴史は、ファドの旋律に乗って悲しい・・・

その時代、男の6割は海で死んだとか・・・

う〜ん!

ファドの女王、アマリア・ロドリゲスの歌声と、長崎チャンポンの麺が、リンクするとは思わんかった。





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