VOL・87  そよ風を君にあげよう   
2003/11

コンサートパンフ

毎年、秋の楽しみは、某歌手のドラマティックコンサートなのですが、
昨年は、夏の遊び過ぎ・・・ 今年は、入院で・・・ 残念ながら参加できませんでした。

有り難い事に、オッカケフレンド様から、そよ風にのって
コンサートパンフが送られてきますた。

今年は、ステージに古いビデオ映像を、大画面で映し出し、古い曲のオンパレード・・・
唯一の新曲のタイトルも「のすたるぢや」で、オモイッキリ、古びた想い出に浸る構成でがんす!


♪ MR.BOJUNGLE ♪

この曲・・・ 今年のコンサートツアーで、
パントマイムしながら、歌われたのですが・・・
高校時代にもTVで聞いた事がありますし、昔のコンサートで拝聴した事もあります。

貧しい旅芸人の歌でがんす!
実力派の
某歌手にしては、音域も狭く、軽い表現・・・ ギターコードも簡単で、よく自分でも歌っておりましたが・・・

もちろんワシが歌えば、実力派のヘタクソでがんす!


コンサートホールを埋め尽くし・・・ 拍手喝采を浴びるのも、芸人の姿ですが・・・
酒と煙草と日銭のために、場末の酒場で・・・ おどけて、笑って・・・ 淋しい人の心を暖めるのも、芸人の姿・・・

だけが、道連れの人生もある。

黒人歌手、サミーデービスJrが、コンサートの終盤で、この曲を歌われる時、
亡き父親の、
人種差別された苦難を思い・・・ 涙されるとか・・・

美しいラブソングを、絶唱される某歌手ですが・・・ MR.BOJUNGLEを歌われる懐の深さ・・・
感銘したものでした。


♪ そよ風を君にあげよう ♪

この曲・・・ 某歌手のデビュー曲、「君に涙とほほえみを」のB面曲ですが、2分チョットの短い曲・・・
カンツォーネらしい、朗々としたメロディーで、大好きでがんす!

トニーダララの楽曲で、イタリア名「QUATTRO・PARORE」
詩も短い・・・

そよ風の甘い香り、あの星の真珠の色、七色の虹、美しい夢・・・
「何よりも愛の誓いを、誰よりも君にあげよう ララララ・・・・」

頑張る
貧乏人への応援歌! 値段の付けられないもの、所有権のないものを、勝手に捧げる歌でがんす!

ブランド品が溢れ、物欲と銭に振りまわされて、忙し過ぎる現代人・・・ 真実の愛と幸福とは何か?
結構、ハングリーな詩であり・・・ 今となっては、考えさせられる事も多いだす!

今時、そよ風で引っ掛かるギャルが、何処にいるのでしょうか?

風炎カ〜サンいわく・・・
「コンサートに行かないから、ストレスが溜まって、腰が痛くなる・・・ 行けば治る!」
そんなに楽天的な問題ではないのですが、一理あるかもしれまへん!

御心配の御返しに、
そよ風を君にあげよう♪


話しは変わって・・・

風炎工房の敷地は、借地で約250坪・・・ 自宅の玄関から工房までの通勤時間は10秒・・・ 早い話が隣接
ゆえに、チャイムも、ポストも、電話も、トイレも、兼用でおます!

通勤ラッシュの都会に比べれば、贅沢な悩みなのですが・・・ 
公私のケジメのない暮らし・・・ 定休日もありまへん!
中途半端な陶芸家の日常は、激務ではありませんが・・・ 夜も昼も休日も・・・ 仕事から解放される時間はない。

ストレスが溜まり・・・ 工房を大脱走して、
放浪の旅にでも出たい衝動にかられる事も、シバシバ・・・
国内なら「屋久島」、海外なら「ポルトガル」、乗れるものなら「スペースシャトル」

未知の世界へと、夢は広がるばかりでがんす!


先日は椎間板ヘルニアの手術で、病院の御世話になったのですが・・・
一月も入院しますと、大退屈で・・・ 隠れて、自宅へ大脱走! 気ままな病人で、青年医師もアキレ顔・・・

慣れた自宅が、こんなにいいものかと、
再認識した次第でおます!
勝手なものですね!

日帰りでも、国内でも、海外でも・・・ 旅行から戻り、お茶漬けでも食べて、ゴロ寝しますと・・・

う〜ん! リラックス・・・

日本の良さ、我家の良さを再認識
できるのは、「旅」の一つの効用であり、
風炎オヤジにとって入院は、
ひとつの旅路だったのかもしれまへん!


最近、ジプシーに興味がありまして、病室で「ジプシーの謎
」という本を読みました。

土地を持たない流浪の民族ですが、その起源は15世紀後半で、
インド北西部の民族であったとの説が、言語学者の間では有力。
現在でも世界各地で、
数百万人も移動生活をしているのですが、ヨーロッパに特に多い。

ジプシー娘は、黒い瞳と
黒髪と褐色の肌で、オリエンタルな魅惑的な美しさがある。

ロマ、ジプシー、ボヘミアン、チゴイネル、チンガロ・・・ 各国での呼び方も様々・・・
ジプシーの言語は、ロマニー語で、自らをロマと呼び、民族の誇りも高い。

歴史的には・・・
生業は、馬の飼育や売買、タロット占いや、音楽・・・ 盗みぐらいは、日常の生きる術であったらしい・・・
住居は、粗末なテントや、廃墟や、洞窟であり・・・ 最近はキャンピングトレーラーも多いようです。

現在でも、差別された過酷な暮らしを強いられている事は、容易に想像できます。

泥で汚い風炎工房では、ジプシー音楽が、よく流れております。

ジプシーキングスの、激しいリズムは大好きで・・・
スペインのフラメンコも、ハンガリー音楽も、ジプシーの産物である。
その源流は、何であるのか? 興味が尽きないでがんす!


ひとつの地球・・・ 人間の勝手で土地を所有したり、国境があるのですが・・・
考えてみれば、勝手なものではある。

島国、JAPANに住んでおりますと・・・ 海があって、土地があって、家があって、生活がある・・・
まして、広島の大田舎は農耕民族・・・ 外人を見る事は稀で・・・ 
地域の絆はブチクソ強い。

各国で、ジプシーの
定住化政策も、進んでいるようですが・・・
反体制で、自らの定住を拒む生き様は、理解に苦しみますが・・・ その芸術は、さ迷う魂の叫びでもある。

放浪も、人間のひとつの生き様だす!


そういえば・・・ 蓄音機が生まれて100年くらい・・・ NHKは、今年でテレビ放送、開局50周年らしい・・・

スターだ! アイドルだ! カリスマだ! 女王だ! アーティストだ!
今でこそ歌手は、高い地位に君臨しておりますが・・・

蓄音機、レコード、ラジオ、カセットテープ、テレビ、ビデオ、CD、DVD・・・
そうした、
音響・情報技術の恩恵なくしては、ありえなかったのも事実でがんす!

さらには、インターネット時代において、
著作権の解釈も微妙で、その環境変化はメマグルシイ・・・

本来、音楽というものはカタチなく、芸人は定住できなかった歴史のほうが長い筈でがんす!

亡き、津軽三味線の高橋竹山氏は、盲目で流浪されていましたし、演歌歌手の流しもしかり、
流浪の琵琶法師・・・ 大衆演劇やサーカスの巡業・・・ 大道芸能・・・

悠久の時の流れ・・・ そよ風のように流れて消えたメロディー・・・ 魂の叫び・・・

在日韓国人の、JAPAN芸能界での素晴らしい大活躍は、
民族的な才能と、
苦難の歴史が背景にあるのかもしれまへん!


陶芸家大先生の社会的地位は、出版業界、マスコミ、画廊、美術団体、政治団体の恩恵によるところも大きい。

風炎オヤジの場合・・・ ボンビー&ハングリーですが・・・ 多少は儲かる、中途半端なポジションだす!
ジプシー音楽が好きという事は、放浪への憧れと、ハングリーへの
共感なのかもしれまへん!

よし! 来年こそは・・・


屋久島で
縄文杉拝んで、コンサートで泣いて、ポルトガルワインで乾杯して、そよ風を君にあげよう!


PS

今は亡き、倉敷の師匠の修行時代・・・ 一昔前の話ですが・・・

各地の工房を、腕一本で渡り歩き・・・ 賃引きといわれる、出来高払いの給料制度で、生計を立てる、

流れ職人」といわれる生き方が、あったそうです。

自分の勝手で倉敷を去って、沖縄へ渡ったのですが・・・
送別会の日、「流れ職人にはなるなよ。」と、優しい御言葉を頂きました。

沖縄での最初の工房、読谷の陶眞窯で3年間、御世話になりましたが・・・ 「
賃引き制度」が現存しておりました。

当時、定価350円の湯呑がありまして、ロクロ成形で10円・・・ 底の削りで10円・・・ 合計、1個20円。
風炎オヤジの腕では、頑張っても月1000個程がやっとでしたので、約20000円。

粘土作り、釉薬掛け、白化粧掛け、線彫り、絵付け、梱包、納品・・・ 昼間は雑務で手一杯!
賃引きは、休日と、夜の残業のみ許されたものでがんす!

基本給と、賃引き手当てを、合計しても、
労働基準法には、届いておらず、
それでも喜んで、争いながら残業する・・・ 徒弟の世界は、世間の常識からは、逸脱しておりました。

現在、風炎キッズのこずかいは、家業手伝いの、完全出来高払いでがんす!
そのうち大爆発して、家出するかもしれん・・・


PS 2

今回の入院で、始めて、生命保険の御世話になりました。
入院特約ですので、手術しても、お釣りがくる・・・ さらには、商工会の所得保証制度もある。

今回の衆議院選挙・・・ 年金制度の立て直しが、政策の重要課題ですが・・・ 官僚の抵抗も激しい。
国民の不満も大爆発だす!

JAPANにとって、年金改革と福祉の充実は、
最重要課題ですね!

う〜ん!

祖国も土地も持たなかった、ジプシーの暮らしを思う時・・・
何の社会保証もなく・・・ 
民族の誇りを掲げ、さ迷う彼らの魂は・・・ 想像を絶するものなのかもしれん!

あの激しいギターストロークも、バイオリンの嘆きも、叫び声も・・・ シミル。

Are you hungry?  I’m very hungry!
病院食は、泣けるほど、ウマい。






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