モノマネ
サンプル店 | ヤマメのサンプル | 道具屋筋 |
どうするアイフル! チワワの眼差し! 貧乏人には、シミル、CMで御座います!
大阪なんば高島屋での展示会では、千日前のビジネスホテルに、連泊しており、
近くに、道具屋筋といわれる商店街があります。
白衣、包丁、鍋、やかん、のれん、器・・・ なにわの板さん、御用達の店が並んでおり、
道具選びは、楽しいですので、よく散策しております。
レストランの入口のMENUウインドウに、飾られておりますサンプルイミテーションの専門店が数軒あり、
その精巧な作り、塗装、質感・・・ いくら見ても、飽きる事がありまへん!
風炎工房でもギャラリー・ディスプレイ用に、パン・フルーツ・焼き魚(ヤマメ)を、購入しております。
久しぶりに訪れまして、アイフルな眼差しで、じ〜〜〜っと見つめておりましたところ・・・
「御客さん、何がいるの?」 「特に決めてませんが・・・」
「御客さん仕事は何?」 「陶器屋ですが・・・ スゴイですね。一人の方が作られているんですか?」
「答えられまへんな! 御客さん普通の人じゃないな!」
「帰った!帰った!」
追い出されてしまいますた。
う〜ん! 不愉快じゃのう! 以前は、愛想よかったのに何故?
そういえば、無精ヒゲが伸びてるし・・・ ハッタリ作務衣のせいかも・・・ ヤクザに挨拶された事もあるしなあ〜
デジカメ、ぶら下げてるし・・・ たぶん、同業者のスパイに間違われた可能性が高い・・・
近くにある、もう一軒の高級そうな店に入るやいなや・・・ 店の奥のオヤジ店主いわく・・・
「うちは、フルオーダーでおます。最低でも10万以上の高級品でおます。」
「帰った!帰った!」
タカビーな御言葉にショックを受けましたが・・・
ショーウインドウのガラスに写った、風炎オヤジの風貌は、確かに貧乏くさい・・・ されど、反抗して買う事もできまへん!
ブコツなわりに小心者ですので、丸1日、不愉快で御座いました。
本物の料理に似せるためのサンプルイミテーションは、立派なモノマネですが、
その技術はハイレベルなもので、同業者にモノマネされる事に、神経を尖らせるのは理解できます。
ゲージツ家は、個性を尊び、基本的にモノマネは大嫌いなのだ!
されど、丁稚あがりの風炎オヤジは、見習を12年ほど、経験させていただきましたので、
己の才能の貧しさをよく理解しておりますし、モノマネについては前向きに解釈しております。
見習というくらいですから、見て習うのが、陶芸修行の基本ですが、
さらに、現実の厳しさに目覚め、アツカマシク、盗むとうい業を、体得してゆきます。
己の自由な発想も大切なのですが、無にして始めて見えてくる事があるのも事実だす!
積み重ねては壊し・・・ 積み重ねては壊し・・・ それでも、残されたものが、作家の個性かもしれませんが・・・
ただ、忙しいだけで・・・ 正直、自分でも解らない事が多いだす!
死ぬまで勉強とは、よくある台詞ですが・・・ 死にそうになった時の、風炎オヤジの台詞は・・・
なおさら、解りまへん!
想えば、風炎オヤジは見習い12年、独立して12年になり、ターニングポイントを迎えております。
自分の世界を築くのには、見習いと同じ時間がかかるというのは、この世界の台詞ですが・・・
個人差はあるでしょうが、習って、それを乗り越えろという、意味深い教えでもあります。
今、確実に言える事は、確実なるボケの進行は、確実に止められないという事・・・
よって、満杯状態の脳ミソを維持するために、自分の都合の悪い事は忘れるという、生きる業を体得するしかありまへん!
わき目も振らず、一直線! のんびり、マイペース! 陶芸家もいろいろなタイプがありますが・・・
風炎オヤジの場合・・・ ネタ探しには、結構、積極的ではあります。
デパートや、陶芸SHOPでは・・・ 作品を、アイフルな眼差しで、じ〜〜〜っと観察します。
自分で作ればいいのに、購入する事も良くありまする。
ただ単に、好い悪い、好き嫌いというよりも・・・ 何処かに良いところ、ヒントはないか・・・
自分のフィルターを外してみると、新発見がある場合もある!
気に入った陶器と出遭った場合、5千円以内なら躊躇なく購入、3万以内なら、じ〜〜〜っと悩んで財布と相談します。
それ以上を購入する事は、滅多にありまへん!
値切る事はありませんが、領収書は請求いたします。
作家から直接購入させて頂く場合は、結構、気を使います。
同業者とバレテいる場合が多いですので、名刺を差し上げ、作品をホメタタエ、敬語を駆使して・・・
「申し訳御座いませんが、このブチクソ素晴らしい作品を、分けて頂きたいのですが、宜しいでしょうか?」
怪訝な態度を、される場合もあるざんす!
気の好い作家は、安くして下さる場合もあるのですが、一応、御断り致しまして、定価で求める場合が多いだす!
場合によっては、礼状を書く場合もある。
御互いボンビーで、気心の知れた作家の場合、裏技があります。
ブツブツ交換・・・ その世界では、バーターともいうらしい・・・
恥ずかしながら、我家の食器棚は、自作のキズモノとバーター品で、溢れております。
これらの作品は、じ〜〜〜っと見つめて、実際に使って・・・ そのうち、風炎作品に、反映されるのですが・・・
モノマネのつもりで作っても、材料も焼成も違いますので、同じ作品は出来まへん!
作りながら、新しいアイディアが沸いたり・・・ 気が変わったり・・・ 失敗したり・・・
中途半端なところで、風炎作品に変身しております。
風炎オヤジの場合、モノマネは、さらなる新作への階段でがんす!
琉球村のシーサー | 石川喜進作 |
有り難い事に、沖縄の実家から度々、クール宅配便で産品が届くのですが、
もずく・てびち・むーちー・紅いも・ちんすこう・泡盛・米軍のマヨネーズ・タンカン・ゴーヤ・チーズ・・・
タウン誌、新聞切り抜き等の、工芸関係の情報も、頂いております。
最近、沖縄で出版されたシーサーの雑誌があったのですが、
12年以上前の風炎オヤジの、沖縄修行時代のシーサーが掲載されておりました。
現在のとはブチ違う・・・ 一言でいえば、怖い顔だす!
その当時、無け無しの5万円で購入しました、石川喜進氏のシーサーの影響をモロに受けております。
その当時、国際通りの陶器SHOP「シーサー屋」で、納品のついでに、いつも、じ〜〜〜っと見つめておりましたところ・・・
当時は、どうするアイフルもありませんでしたもので・・・ 店主の御好意で、口約束の月賦で分けて下さいました。
風炎工房の屋根裏に、怒った顔で、今も眠っております。
可愛いチワワを見つめる、アイフルオヤジの視線は、異様な光景ですが・・・ オシャレで小奇麗だす!
風炎オヤジの場合・・・
巨漢 + 無精ヒゲ + ボケ + 貧乏くさい + ハッタリ作務衣 + ウスラ + 広島弁
じ〜〜〜っと見つめる、そのスルドイ視線は・・・ ブチ異様な光景なのでしょうか?
う〜ん!
「風炎オヤジさんは、よくもま〜こんなに、次から次えと、作品のアイディアが沸きますね!」
時折、頂く御言葉なのですが・・・ 実際のところ、モノマネがマネしきれず、中途半端にごまかしているのが実情だす!
恥ずかしながら・・・
PS
沖縄で陶芸修行させて頂きました、琉球村時代は、バブルの絶頂期でありました。
会社は、沖縄本島南部のアージ島という、小さな無人島を購入されました。
とても小さな島で、防波堤のような道で陸とつながっていたのですが、刑務所のような門があり、怖い番犬が吠えておりました。
古い空家のレストランが一軒と、ハーバーがありまして、社長のジェットスキーやボートが停泊しておりました。
この島で社長は、管理職養成や社員研修の学校経営を画策され、
静岡から、キャリアのある白髪の無骨者が校長として招かれ、他、若い講師2名、コック1名で開校されました。
当時の陶芸工房スタッフは皆、組織の中では問題児でしたので・・・ 1期生として、モルモットとして、島流しされてしまいました。
何も知らずに、3泊4日のキャンプ気分でルンルンだったのですが・・・
早朝から、深夜まで・・・ 50分鍛えられ、10分休み・・・ 繰り返し・・・ 地獄のような特訓でした。
極限までイジメテ、体で憶えさせ、洗脳して、会社人間を育成するのが、基本理念のようでした。
ラジオ体操、社歌、社訓の暗記、掃除、意識改革・・・ 声が枯れるまで大声での腹式発声・・・ ストップウォッチでの3分スピーチ・・・
職場での問題を発見して、分析して、解決するまでの方法、QCサークル。
やっとの事で合格して、手紙の書き方を教わり、社長様へ御礼の手紙を書き、3役の前で感謝のスピーチ!
チト恥ずかしながら、皆の目には、涙が滲んでおりました。
ある授業で、鬼の校長が、「皆さんは芸術家なのですが、モノマネと聞いてどんな印象をもちますか?」との質問。
コスイ・ドロボウ・才能がない・・・ どちらかと言えば、マイナスイメ〜ジの意見が多かったのですが・・・
この校長、昭和の大歌手、美空ひばりのFANらしく・・・
女王は、笠置シズ子のマネをする事で大成したとの事・・・ その他、有名人の事例を列挙され・・・
モノマネは大切であるとの、結論に結びつける事で、意識改革を促されました。
新興宗教のような修行も、研修も、鬼の校長も、講師も、番犬も、納得してはおりませんが、
モノマネの大切さについては、チト、頷いてしまいました。
そういえば、愛する某歌手も、デビュー当時にスランプがあったそうで、
坂本九さんからのアドバイス・・・ 「少しでも興味のある、唄なり歌手なり、徹底的にマネしてみたら・・・」
カンツオーネ歌手、ジャンニ・モランディーをモノマネする事で・・・ 初期のシャウトな絶唱スタイルを確立されました。