なんでも鑑定団

戸河内ふれあいセンター 準備風景 終わり・・・


風炎工房のある、加計町は過疎の大田舎ですが、一応、商店街での
夏祭りもあります。

お楽しみの
キッズ達は、浴衣にドレスアップしまして、お出かけしましたが・・・
パレードも夜店も、少なくなるばかりで、チト寂しいとか・・・ ついには、
花火大会も消滅・・・

過疎地の夏祭りは、何処もマンネリ、同じ問題を抱えておりまする!


新聞チラシ・・・ 隣町の戸河内町の「ふれあい祭り」で、
なんでも鑑定団の出張録画があるとか・・・

結構な長寿番組ですね!


古い陶磁器や絵画を、専門家が鑑定されるのですが、何となくアヤシイ・・・
物の価値すべてを、
銭金で判断してしまうのは、チト矛盾を感じてしまうのですが・・・


一つの作品が、ライトアップされ、時の流れに物語され、ショーアップされ・・・

面白おかしく・・・ 最後は銭に化ける!

期待はずれの場合、落胆!


どんな作品にも作者がいて、出来が悪くても、作品は子供であり・・・ その親心に、激しく
同情してしまう事はよくある。


お陰様で、町内には、風炎作品が数多く出回っております・・・ 今日この頃・・・
最近ブームの、フリーマーケットには、怖くて行けまへん!

何故なら・・・ 捨て子の風炎作品が、捨て値で並んでいるのを、想像するだけでも悲しい・・・

さらには今回の鑑定団・・・ 町民が、風炎作品を依頼されて、全国放映される可能性も無くはない。

怖い! いびせー! 寒気! 身震い!



暑い夏まつりのイベント、「なんでも鑑定団」の
録画会場である、隣町のふれあいホールへと・・・

風炎オヤジは震えながら・・・ 車を走らせますた!


12:30頃、整理券片手に、ゾロゾロ並んで入場・・・ 写真撮影にベストポイントを捜して着座。

女性プロデューサーの挨拶のあと、大拍手と、「Ohhhh・・・」の
演技を、指導強要されました。


ケータイデジカメを持参しましたが・・・
収録中は、
写真撮影禁止で、ケータイの電源は切るようにとの、注意アナウンス・・・ ガックリ!


審査は、日本書画の専門家、安河内眞美氏と、日本陶磁器の専門家、中島誠之助氏。 司会は松尾伴内氏。

過疎地ですので、依頼人はジーサン4名、ギャル1名。


いきなりオープニングから、
詩吟を唄いまくり、ただそれだけで大満足されたジーサン。

30万程の刀剣と、物々交換された掛け軸は、親友との想い出の品とか・・・ なんとなくショボイ・・・

希望価格30万でしたが・・・ なんと
100万の鑑定! 天国の親友に涙!


次のジーサンは、親戚からタダで持ち帰った、煎茶器の収納箱を持参。

次のジーサンは、老人のオリンピックで、金メダルをたくさん持ってるらしい。

次は、可愛い仕事着ギャルが、実家にでも転がっていたらしい、
古唐津の茶壷を持参。


最後のジーサンは、30年前の昔話・・・

骨董専門書の懸賞で、2000人以上の応募者の中から、見事、特等に当たった景品・・・ 古伊万里の皿を持参。

奥さまが中島氏の大FANであるとか・・・ 証拠の骨董専門書を持参されたり・・・
オトボケ風貌ながら、なかなかの知能犯に御見受けしました。

もしこれがニセモノなら、骨董出版界を、敵に回しそうな感じの中島氏は、微妙な立場になる・・・

希望価格15万でしたが・・・ 30万の鑑定!

タダで貰った皿が、30年で、30万! 何となく出来すぎの鑑定額ではあります。


登場されたジーサン達は、皆さん
オトボケ風貌で、実に味わい深い方々だったのですが・・・
最後に、今回の特別賞
MVPに輝きましたのは、3番目のジーサンで御座いました!


足もおぼつかない、ヨボヨボでしたが・・・ 趣味を聞かれましたら、「走り幅飛び!」  場内は大爆笑!
さらには、円盤投げ、短距離で、17個の
金メダルがあるとか・・・ 銀も銅も・・・

それも全国選抜の、老人大会での話らしい。


骨董は大嫌いとかで・・・ 「骨董を扱う商売人に、
正直物はおらん!」  意味深なことをのたまう。

これには、中島氏も苦笑い・・・

若い頃・・・ 没落庄屋の土蔵の中身全てを、古物商の紹介で、5万で買ったとか・・・ のち、いろいろあったらしい・・・


実に立派な、狩野派の掛け軸を持参! 希望額150万と強気! 美術年鑑では2500万だったとか・・・
されど、鑑定額は5万!

このジーサンは、憎めないタイプで、
欲得を越えた領域で生きておられる風情に、ほのぼの・・・

「この軸、どうされますか?」  「いままでどおり、ぶら下げとくだけよ!」  「ワハハ・・・」


鑑定によりますと、この掛け軸は、
数奇な運命をたどっている事が、判明しました。

軸自体は、江戸後期の狩野派の実力者が、精魂込めて書かれた、立派な秀作であり、
後の古物商が、サインと印鑑の部分だけ、初期の狩野派の大家のものに、
贋作したらしい。

この古物商の悪ささえ無ければ、裕に50万以上とか・・・ これには、いろいろと考えさせられました。


作者が丹精込めても、込めなくても、時代のブームもあったりして、
作者の手を離れた子供の作品たちは、運命の荒波に呑まれて、さ迷うのかもしれまへん!

出張収録は1時間程で無事終了! 広島ホームテレビでは、10月初旬に放映とか・・・


3:00頃、風炎工房に帰り・・・ 作りかけの急須の蓋を作りながら・・・ もの思う・・・


暗い倉庫で、ホコリを被っていても・・・ 一つの陶器は、陶器だす!

スポットライト・・・ ハイソなギャラリー・・・ デパートの美術画廊・・・ 売約の赤丸
・・・
美し過ぎるDM画像・・・ 図録掲載・・・ 美術団体での受賞歴・・・ 入場料の高い美術館・・・

舞台が変われば、
高級そうに見えるのが、人の心理!


汚い工房で、泥まみれ、汗まみれでも・・・ 風炎オヤジは、オヤジだす!

ハッタリ作務衣・・・ プロフィール画像・・・ 陶歴・・・ 新聞記事・・・ ラジオ取材・・・ TVインタビュー・・・

舞台が変われば、
偉そうに見えてくるのも、人の心理!


ビジュアルは大切かもしれん・・・ 強化すべきか?

大整形手術をして・・・ ヅラ疑惑を払拭して、完全なヅラを被り・・・ ハッタリ羽織袴・・・ エステ通い・・・
されど、風炎オヤジの場合、かなりの大金がいるのは必至!


出版社やマスコミの裏表・・・ 人の目の錯覚と欲望・・・ 美術団体の派閥梗塞・・・

う〜ん!  う〜ん!  う〜ん!


ソクラテスや、プラトンや、ニーチェや、サルトルや、孟子や、孔子や、親鸞や、道元・・・
あんなに悩んだ人達が、捜し求めた真実

真実は、真実なのですが・・・ 解り難いからこそ・・・ 真実は、真実なのかもしれまへん!


う〜ん!  急須の蓋には、穴がある。  う〜ん!

考え過ぎて、チト疲れた・・・

こんなに悩むという事は、この番組に割り切れぬ、ハッタリを感じておるのかもしれまへん!


PS

松平不昧公の影響か、
山陰地方は茶道が盛んです。

島根・鳥取県では骨董のオークションが、よくあるらしい・・・ 行った事はありまへんが・・・

風炎窯、開窯当時のことなのですが・・・
見るからにアヤシイ、
パンチパーマの兄さんが、度々来られました。

名刺は古物商。


「兄さん、良い腕しとるのう!」 「何でも作れるじゃろう!」 「焼き締めはせんのんか?」

「来週、鳥取でオークションがあるんで、一緒に行かんか?」

「古陶磁には譲れないポイントがあるんで、それを外さなかったら、それでいい・・・」

「兄さん、機用だし、絶対出来る!」 「後の、贋作処理と、販売はワシに任せてくれ!」

正直者は、儲からん!」


のらりくらりと、カワシテおりましたら・・・ 「兄さん、頑固じゃのう!」と呟いて・・・ 結局アキラメタ様子・・・

あれから10年・・・ 結局、アドバイスどうりに、ボンビーな陶芸家になってしも〜た。


されど、欲得を越えた領域で、幸せそうに生きる、
金メダルなジーサンとは、御友達になれそう!


PS 2

広島・山口の県境にある、吉和村。 中国地方の軽井沢で、別荘や、ログハウスが乱立しております。

住建産業改め、JUKEN改め、WOOD・ONEは、日本を代表する建材会社だす!

社長はこの村の出身で、メセナにも熱心で、
ウッドワン美術館を建設され、
西洋陶磁器、日本画、洋画・・・ たくさんのコレクションがあります。

先日、
ゴッホの農夫の絵が、真作と判定され、オークションで高額入札!

日本では、ゴッホは大人気ですので、この夏休み、多くの御客様が来館されております。


贋作は、科学の発達で
複雑巧妙となり・・・ 判定方法も、進化しているらしい・・・

世界各地の超有名美術館は、収蔵作品の真贋の事実を、隠ぺいしているとの疑惑も、噂にはある。

その真実は解りまへんが・・・


売れなくて、ボンビーで、キチガイになって、ピストル自殺した画家の絵が・・・ 時が流れて、数億円!

そこに、人の
欲望が渦巻いている事だけは、確かでおます!

印象派、炎の人、狂気の画家・・・ ヴィンセント・ヴァン・ゴッホの絵は、大好きなのですが・・・

その人生はツライ・・・




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