シクラメン

花屋

年末を迎えて、あわただしい時期ですが・・・
生活も便利になり、季節感が無くなりつつあると感じるのは、ワシだけでしょうか?

町内最大手のスーパーの花屋に、今年もシクラメンが並んでおります。
シクラメンと聞いて、カホリを感じる貴方は、風炎ワールドに結構染まっていますね!

シメシメ・・・


今回の独り言は、皆様の予想に反しまて・・・ 某歌手、布施明師匠への想いを、オモイッキリ・・・ 書かせて頂きます。


今は昔・・・
中学の卒業式あとでの
懇親会で、カラオケも無い時代、ア・カペラで唄いましたのが「積木の部屋」でした。

師匠のコンサートを始めて拝見しましたのは、確か、ワシが16才の頃・・・
「シクラメンのかほり」がブレイク中の、昭和50年・・・ 少年のアルバイトでは、S席のチケットは、結構な金額でした。


満員の
広島郵便貯金ホールでの、拍手喝采!

いよいよ、師匠登場かと思いきや、スポットライトを浴びて登場したのは、シッポに沢山のカラフル風船をつけた、
ダックスフンド!

ステージのからへと、可愛らしく走り抜けますた♪
短足を自認される師匠の、オチャメなアイディアだったんでしょうね!

「ラボエーム」「街角の瞳」「帰っておいで」・・・ シャンソンが多かった記憶があります。


当時の御客様は、「シクラメンのかほり」を、聞きに来られた方々が、大半であると思われましたが・・・
されど、唄われたのは、コンサートも終わりの、最後のアンコールであり・・・
それも、緞帳が下りた状態での
暗闇であり、姿は見えず、声も疲れ、息切れ状態・・・

当時のTV放映での、
繊細な表現とは、程遠いものでした。


唄い忘れたから、最後に付け足したとも思えませんし・・・ ず〜〜っと、ヒッカカッテおりました。


恐らく、御本人が目指されている音楽と、
現実との狭間での、苦悩だったのかもしれません。
ヒット曲とは御本人の意とは別に、時代の流れ、何らかの回り逢わせで、ブレイクするものなのかもしれません!


ともかく、ワシにとりまして、唄の凄さを教えてくれたのは、師匠であり、シクラメンでありました。
唄は、作詩・作曲・アレンジで成立しているのですが、その上に、
歌い手の想いが重なった時、強烈な光を放ちます!


「真綿〜」で始まりますが、絶好調の時は、「ん、真綿〜」となり、
その「ん」に込められた、想い・・・ 詩でもなく、メロディーでもなく・・・ 歌手の息ずかいであり、想いであります。

その、
かくし味に目覚めた時から、師匠への一方的なプラトニックLOVEへの道が、始まったのかもしれません。

宇宙神秘・・・ 命ある地球・・・ 偶然の時の重なり・・・ 奇跡のめぐり逢い・・・
ただそれだけでも
感謝に値します。



のち、師匠におかれましては、某事情で渡米され、某事情で帰国され、現在におかれましても、歌手活動を続けておられます。
現在の日本の音楽事情からいたしますと、マニアックな存在かもしれませんが・・・


毎年、秋に、ドラマティックコンサートと題しまして、
全国ツアーが開かれております。
広島では、最近、チト御無沙汰ですが・・・

コンサートは、総合芸術であります。

歌手、ミュージシャン、舞台監督、音楽監督、舞台美術、音響、照明、衣装・・・ そして、観客。
華やかな表舞台を支えておられます
プロの仕事・・・ 重ねたであろうリハーサル・・・

コンサートも、裏方の、目に見えない仕事に、支えられているんですね!

実際のホールでの空気、感動、響きは、CDやビデオで全ては残せませんし、それは儚く、時の流れに消えてゆくものだす!


コンサート中盤では、
往年のヒット曲が沢山ありますので、10曲以上、20分以上の、長〜〜いヒットメドレーがあるのですが・・・
正直、長年のFANにとっては、聞き飽きたものでもあり、過去を振り返りつつ、ボ〜ッと聞き流しております。

師匠いわく、昔の事は良く憶えてて、新しい事が憶えられない年代になりつつあると、ジョークを言っておられましたが、
ある部分、本音かもしれません・・・


FANの間では、ヒットメドレー不要論もあるのですが、

☆の数ほど唄われた御本人が一番飽きておられるかもしれませんし・・・
御客様も多種多様・・・ 要望も多種多様であり・・・ バランスを考慮されての構成であるのでしょうし・・・
御自身を育ててくれた、楽曲への感謝もあるのでしょうし・・・

師匠におかれましても、
思案のしどころかもしれません。


FANは楽しく観賞、応援するだけなのですが、
それまでの準備・・・ 開演のベルの音にコンデションを合わせるプレッシャー・・・ 興行収支・・・
大変な筈です!



ANにおかれましては一期一会コンサート会場に集い、何かを感じて勇気を与えられ・・・
それぞれの日常に帰り、それぞれ頑張って、生活されておられます。

入場料、交通費はかかりますが・・・ 御金で計る事の出来ない、ウルオイのある人生では、ないでしょうか。


女性の追っかけ様の場合、熱狂的な方もおられ、命がけの狂気には、脱帽させられます。
一般の方からすれば、理解不能な場合もあるでしょうが・・・

こうした方々は、ある意味、人には見えない価値、自分で掴んでいる方々であり、
ある意味、実に幸福な方々であります!



最近、「
DO MY BEST」なる、新しいCDベスト盤が発売されました。

オリジナル盤を待ち望むFANにとって、ベスト盤は、コンサートにおけるヒットメドレーに似ております。

今回は、新しいアレンジでの、再々録音ですので、期待しておりましたし、
シンプルでピュアな録音は、息遣いを感じさせるもので、大変満足しております。


でもね!それでね!よかったんだね!涙さえも、笑ってみえるもの・・・


往年のヒット曲に混じって、師匠、作詞の「ピエロ」という楽曲が入っております。
愛する女性が、別の男と結婚するのを、笑顔でおどけて祝福する、
滑稽な男のドラマであります。

10年以上前のコンサートで発表されたもので、一般に馴染みのあるものではありませんが・・・
暗闇の中、ピンスポットを浴て、パントマイムを演じながらの歌唱です。 (正確には声を出すのでパントマイムとは言えませんが・・・


当時は・・・ 最後に舞台の右端で「男の一生」と呟き・・・
寝そべり・・・ ムクムクと起き上がりながら成長して・・・ 原人のように歩きながら・・・ やがて胸を張り、威張り散らして・・・
やがて腰が曲がり・・・ 老いて・・・ ボケルにまかせ・・・

舞台の左端で・・・ 笑顔とも、泣き顔ともつかない哀れな表情・・・ そして、
昇天! (同時に、ピンスポットも消えて暗闇)

舞台をいっぱいに使った、味のあるパントマイムを演じておられました! (この一連のシーンは無言劇


昔のサーカス、旅芸人は、定住も出来ず、差別された苦しみを背負いながら、
人を楽しませ、笑わす・・・ 
裏表のある儚さは・・・ 何時の時代の、どんな仕事にもありますね!



新録音のDO MY BEST盤や、TVで、今でも大切に丁寧に唄い続けておられます、「シクラメンのかほり」を聞いておりますと・・・

時代の流れ、儚さを感じざるおえません! 思い起せば、四半世紀前・・・


 アコーステックな、バイオリンとギターを従え・・・ イントロだけで、
その世界に突入!

「ん、真綿〜」では・・・ 目を閉じて・・・ 感情移入!
「うす紅色の〜」では・・・ 声に響きと厚みを持たせ・・・
「うすむらさきの〜」では・・・ 儚さを漂わせ・・・

ジャカジャカ、ストロークでは、首を振り・・・ 「疲れを知らない〜」では、長髪を掻き乱し・・・ 飛び散る汗!

そして、
ラッパズボンに見え隠れする、上げ底ブーツ!

歴史のなかで、日本のある時代の、流行歌であり・・・ そのライブ感は、儚く消えてゆくのかもしれません。


今回のCDジャケットは、御自身の古い写真です。
ピンボケ・セピアカラーの布施晃君は、中学3年生・・・ 
詰襟の学生服姿です。
丁度、風炎オヤジがシクラメン狂いだった、あの頃と、同年代に御見受けいたしました。


少年期は、「これから如何しよう?何になろうか?」 将来の夢と不安に溢れ・・・
いつの頃からか、「あの時、ああすれば、どうなっていたであろうか?」 過ぎ去った日々への夢物語・・・

誰もが
歩む道なのでしょうか?



師匠におかれましては、体力・声量の絶頂期は、過ぎている事は間違いありません。
これから、さらに年輪を重ね、それなりの生き様を、見せてくださる事でしょう。

包容力のある、深みのある声は、年輪を刻んだ、その年齢なりの味があります!

これからも、影ながら応援いたしております。



比べるのは大変失礼なのですが・・・ 歌手も陶芸家も、立派な、肉体労働サービス業で御座います。

自称、中途半端な陶芸家、風炎オヤジの場合・・・

「最近の作品は、気合がない、キレがない!」 これに似た、中途半端な表現で、感想を頂く事があります。

数物の定番作品を作り続ける、陶芸家の手は・・・ ヒットメドレーを唄いつづける、歌手の喉と同じで・・・
それなりに頑張っても、それなりに苦しい・・・

売上の為の製作は、プロと致しましては当たり前ですし、御意見、御批判に、言い逃れはできません!

歌手も陶芸家も、
生身の人間ですので、その年齢なりの生き様が、あるのでしょうが・・・ 難しいところだす!

中年の肉体をコントロールしながら・・・ 一所懸命、頑張っております・・・
少なくとも自分では、そう思っております!



「楽しいんだけど、キレがある・・・」 「優しいんだけど、張り詰めたものがある・・・」

風炎作品の感想でこのような訳解らん感想を、頂く事もあります。
この
訳解らん陶器は、布施師匠の影響を受けました、風炎オヤジの訳解らん表現手法と技法でがんす!

内心、シメシメ
・・・ と、頷いております!



PS

今年の秋のドラマティックコンサートは、残念ながら、出席できませんでした。
夏の遊び過ぎと、多忙と、金欠が重なってしまいました。

工房前の国道R191、近くに全長92mのトンネルがあります。
夜は、妖しいオレンジ色のナトリウム灯、バツグンの反響と音響効果!
交通量も少ないので、前後を確認し、車と人がいない場合・・・

発声とパントマイムの、絶好の
練習ステージになります。 もちろん、タダ!


今頃、大阪のフェスティバルホールでは、コンサートの真っ最中だな〜と、切ない思いを引きずりながら・・・
MDウォークマンで、DO MY BEST盤を聞きながら、1時間のウォーキングをしておりました。

あまりにもの切なさに、
前後確認を忘れてしも〜た! その傍らを通り抜けた、男子中学生の自転車・・・

翌日、風炎キッズが学校から、帰るやいなや・・・ 「父さん、止めてくれ!」と、懇願・・・
カ〜サンいわく、「不死鳥か?」

翌々日、風炎キッズが学校から、帰るやいなや・・・ 「オジサン、唄旨いね!踊り旨いね!」と、カラカワレタとか・・・
オヤジいわく、「旨いに決まっとるじゃ〜ないか!」

キッズいわく、「自分でゆうて、どうするんね!」と、
ジダンダ踏んでおりました。

何がキッカケで、イジメに会うか解らない御時世ですので・・・ チト反省! 今後、注意します。

前後確認には・・・

皆様におかれましても、前後にはお気を付けて、良い年を、お迎えくださいませ!





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