生命保険
風炎オヤジは、ギャンブルは致しません!
しかし、 窯だしの瞬間! 釉薬の発色! 御客様の反応! そして、行商の売上!
何より、陶芸で生計を立てる事だけでも、結構なギャンブルであります。
不透明な時代、若きベンチャービジネスの御苦労には、脱帽であります。
風炎オヤジの場合、
一生、丁稚奉公も出来ませんので、修行当時から、多少の独立準備はしておりますた。
沖縄時代、結婚前から、カ〜サンの実家に居候して、タダ飯! 節約倹約の日々でした。
新婚旅行も、行っておりませんし、質素なジミ婚でした。
婚約指輪と結婚指輪は、一応求めますたが・・・
那覇の国際通りの、バ〜ゲン札の並んだSHOPで、二つ一緒に買うからと、値切らせて頂きました!
店員いわく、
「結婚指輪を、値切る人は始めて・・・ 両方で¥24,000でいいですか?」
それでも、貯まる御金は僅かだす。
焼き物屋の給料はブチ、少なく、労働基準法も完全無視!
それでも、喜んで仕事をする、実に不思議な世界だす!
故郷での独立は、0からのスタート!
販路も未定! さらに、陶土・釉薬・原料も変わり・・・ 製作も、思考錯誤!
工房の建築は、親戚の工務店に、無理を御願いして、驚異の低予算でした。
その他、借地料、窯、土練機、材料・・・ 不安の時期、周囲の方々には、物心両面の御援助を頂きました。
国民金融公庫に、それなりの事業計画書を提出!
叔父に保証人を御願い致しまして、借りれるだけ借りました。
当たり前のように、子供は生まれるし・・・ 当時は、とにかくハングリー! プレッシャーを感じておりました!
生きるか死ぬかで仕事して、もしワシが死んだら・・・ 残る借金、泣く子供!
展示会という名の、行商の旅・・・
中古のポンコツワゴンは、時代劇の「子連れ狼」の乳母車のようで・・・ 切ない雨のメロディー・・・
当時は、バブルの最終局面、高金利、湾岸戦争が勃発した頃でした。
それをきっかけに、株の暴落!
その時、投資信託で18万円の損をしました。
オマケに大阪・御堂筋でスリにあい・・・ 免許証・カード・懐中時計・財布・・・ 消えますた。
ブチ、勉強になったと、思うしかありまへん!
現代の社会システムが生んだ制度・・・ 生命保険!
人の命まで、銭に変えてしまうのか・・・
されど、お金なしでは生きれぬ、現代の必需品! 安心を御金で買う訳ですね。
当時、複雑な規約を、それなりに聞いて、契約いたしました。
翌年はカ〜サンも・・・
年払で毎年、自動引き落とし・・・ あれから、すでに10年以上の、時が流れました。
お陰様でその間に、自宅も新築できたのですが・・・
今、話題の住宅金融公庫の借り入れは・・・ ゆとりも無いのに・・・ 「ゆとり返済」
今年から、返済額がアップします。
当初の事業資金の返済も、終わりますので、
昨今の不景気を加味しながら、家計簿の見直しを始めました。
自動的に引き落とされるだけの、生命保険の内容は、実に難解でした。
数回、セールスマンに足を御運び願いました。
保険とは時々、入り直すものと認識しておりましたが・・・
右肩上がりの経済が逆転した今、不思議な現象が生じておりました。
現在、同じ内容で、入り直しますと、保険料は倍近くにもなります。
10年も経ちますと、子供の成長や収入など、家庭環境は結構、変わります。
右肩上がりの経済の場合、解約しても、それなりのメリットがあったのでしょうが・・・
保険データを見る限り、解約のメリットはなく、
むしろ、高金利時代に入っておいた、メリットのほうが大きいだす!
ある意味、ラッキーでした。
ここ10年の変化を、数字で教えられ、保険会社の苦しい台所が、伝わるものでした。
オヤジの保険は、半政府系、農業系のものですが・・・
60才以前に逝きますと、大きな保証がありますが、
反面、以後ですと、払い込み金額の約半分しか戻りません!
カ〜サンの保険は、民間最大手の保険会社ですが・・・
実に巧妙な勧誘をされました。
10年前に比べて、
三大疾病・生前給付・年金・・・ きめこまかい、新しいサービスのプランでは、ありましたが・・・
毎月の支払い額が、これまでより少し高くなります!
まして10年後には、倍近くになり、
さらに聞きますと、これは現在の金利計算で、その時の相場により変動!
安心の為の保険が、投資信託に近い内容でした。 これに入りなおす事を勧めるのもチト、アヤシイ!
まあ〜 経済の右肩が上がろうと、左肩が上がろうと・・・ オヤジの腰は曲がり、逝く時が、必ず来ます。
雄大な、時の流れの中で、保険会社はおろか、資本主義も、新しいシステムになる事でしょう。
まあ〜 生命保険は、現代の「御守り」みたいな物ですのう!
風炎作品を、投資の意味で、購入される方は、まずおられませんし、お勧め出来ません!
その辺の、投資信託より、タチが悪いでがんす!
作品は、それなりに、値段という価値を、与えられておりますが・・・
しかし、風炎オヤジが死んでも、たぶん、値段は上がる事は御座いません!
皆様の暮らしの中で、値段以上の喜びを、見つけてくださる事を、
風炎オヤジは、ただ、ただ、願っております!
保険の話しは、どうも後ろ向きになっていけませんのう!
夢を持って生きるのが、何よりの幸福ですよね!
陶芸家という、夢のシッポに、ぶら下がりながら、生きておれます事に、
風炎オヤジは、ただ、ただ、感謝致しております!
PS
10年程前、独立当初は、作っても作っても、作品が足らず、展示会前日の、窯だしが当たり前!
工房は、古新聞・梱包材・ゴミが、散らかり放題!
掃除も出来ずに、忙しく、行商に出かけて戻りますと、村の皆様からの御見舞いの電話!
風炎窯に、ドロボウが入ったと、村の噂になっておりました!
最近は、広げた倉庫に、沢山の作品があります。 窯だしに追われるより、安心なのですが・・・
昨年の、青色申告を終えた今、これ以上、保険料は増やせないと、風炎カ〜サンは悟りますた!
いわく、「いくら在庫があっても、とにかく作りまくれ!」と、追いたてまする。
「あんたが死んでも、ボツボツ、私が売ります!」
ある意味、保険金を残すよりも、売れ残りの作品の山を残すのが、
陶芸家の本望ですね!