受験

風炎キッズは、現在、中学1年と小学6年の、シスターであります。

夕食時、突然の御来客! 「郁ちゃん、
アンケート出来ましたぁ〜」と、若い女性の声!
キッズとは、初対面では、ないらしい!

何のアンケートかと覗きますと、クロスワードパズルで、答えは
偏差値でありました。
オヤジいわく、「これは、何を目的としたアンケートですか? 意味があるんですかのう?」

沢山の
受験データが提示され、真面目なマニュアルセールスが、展開されました。
「この貴社の登録会員、○万人というのは、何年度から何年度の人数ですか?」
「現在の、全国の中学生の、何パーセントですか?」

どうやら、予定外の質問らしく、答えられません!
「そんな会社の受験データなんて、信用できませんので御帰りくださいませ!」
「説明手法が、
押し売りに近いので、気を付けたほうがいいですよ!」

「父さん怖い!」と、横でキッズが、ビビッテおりました。


翌朝、新聞を見ておりますと、
地元のクモン塾無料体験キャンペーンのチラシ!
無料なので、行かせてみようとカ〜サンと画策しましたが・・・
キッズの今までにない、
激しい抵抗にあいました。

行った事も無いのに、こんなに嫌うとは、正直、以外でありました。


その夜、突然の電話! 「郁美さんの御母さん、いらっしゃいますか?」
「おりますが、何の御用ですか? 父親ではいけませんか?」

教材のセールスで御座いました!
先方の説明を、受身で素直に、聞きました。

オヤジいわく、「ところで、
貴方の名前と会社の連絡先を教えて頂けますか?」
「それと、当方の
個人情報は、どちらで入手されたんですか?」

「こちらは、何もやましい事は御座いません! 
名簿屋からの購入も違法ではありません!」

「別に責めてはいませんよ! 一方的な電話ですので、勉強の為、知りたいだけです。」

「会社でそのような事には、答えぬ様に
指導されていますので・・・」
「では、社長様に変わってください!」

・・・・・・・・    ガチャ!

気分を害して、受話器を置きますと、キッズの声!
「父さん、玄関で、御客さんが、待ってるよ!」
母さんが接客しておりました。


続く時は、続くもので・・・ 教材のセールスで御座いました!

オヤジと同年代の、物腰の柔らかい、
ベテランセールスマンで御座いました!
学校・塾・偏差値・学区制の矛盾を訴え、内容の
濃いデータを提示されました。

説明においては、特に如何わしくもなく、親として参考になる内容でしたので、
後日、キッズを交えての説明を伺う事になりました。


キッズも、中学になって宿題が極端に減り、
のんびり気分みたいだし・・・
学校体質・教科内容・受験制度・進学状況・就職状況・・・・ 歴然とした、
都会と田舎の格差。

オヤジは高卒で、時代遅れの徒弟制度しか知らず、
恥ずかしながら、真剣な
受験勉強など、した事がありまへん!

こうした事が、あまりに度重なりますと、親として、チト
不安が沸いてきます。


キッズ and オヤジ and カ〜サン
ベテランセールスマンを挟んでの
懇談となりました。

全国で38位、広島県の
学力の低下は、現在の高校の学区制が、競争意識を希薄にした為らしく、
まして、田舎の中学校は、小学校からの持ちあがり、クラスメイトは
おさな馴染で、のんびり・・・

教科書と完全に合致した内容のテキスト、
教師用のマニュアル教科書も見せられ、
FAXや、インターネットでの検索指導もあるらしい!
コンピューターでの、
全国偏差値診断もある。
大学から横流しされたような、
アヤシイ情報までも・・・

「実名は申し上げられませんが、加計中でも○名が入会してますし・・・」

公立大学なら、最低でもこのへんの高校で・・・ 偏差値は、○くらいはないと・・・」

偏差値最低の加計高校なら、誰でも行けますよ・・・」

「学校の授業だけで、進学出来る時代では、あ〜りません!」
「御金をそれなりに賭けませんとね・・・」


オヤジいわく、「ところで、いくらですかいのう?」
「月、一万チョットですね! 3年分、
先払いですと御安くなりますが・・・」
「その他、諸費用、合わせて
50万チョットですね!」

「○○
塾の月謝は、○くらいですから、安いですし、自分のペースで出来ますし・・・」
「途中解約は?」 「出来ません!」


「郁ちゃん、やってみたい?」と、カ〜サンの
は輝き、
「郁ちゃんの成績は、○だから、バッチリ!」と、セールスの瞳も輝き、
オヤジの瞳もそれなりに輝き・・・

肝心のキッズは、いやではない様ですが・・・ しょんぼり・・・
「・・・うん ・・・うん ・・・うん ・・・うん ・・・」 小さな声で、「やりたい!」

う〜ん! う〜ん! う〜ん!

オヤジいわく、「チト高い!結局、参考書を50万で買うのと、えっと変わらんのう!」
「本屋で参考書を見て、比較検討して、連絡を差し上げますので、チト待ってつか〜さい!」

3時間のトークの末、セールスの瞳は、一変しました!


されど、トークの内容は、現在の受験の厳しさを、
再認識させられるものでがんす!

その夜、オヤジの恩師で、他校の
現役中学教師に電話して、現状の相談に乗って頂きました。
結果として翌日、
キッズの担任教師に、手紙にて、彼女にに合った参考書の紹介を御願い致しました。


そして次の日、事態は思わぬ方向へ展開しました!

夕食のダイニングにて・・・ オヤジトーク
炸裂

「郁美!昨日は、うんうん、ばかり・・・ はっきり、
ハイと返事しなさい!」
「これからは
男女平等、結婚してダンナに食わせてもらう時代は過ぎたのだ!」
「将来の仕事を、何か
真剣に考えてるか? ある意味、勉強より大事だす!」
「昔の学校は・・・ 父さんの時代は・・・ 母さんは甘過ぎる・・・」

キッズは、ションボリ・・・ チト涙目・・・ 
嫌いな魚をチョビチョビ・・・ 実に暗い食卓になってしも〜た!


その後、チラット、勉強部屋を覗くと、ベッドで
ビデオ鑑賞中でありました。
「勉強は?」 「教科書が無いから、明日する!」
「なして
教科書が無いんか?」 「今日は、学校に置いてきた。」
「何っ☆ う〜ん!」

カ〜サンいわく、「私が学校に置いてくる様に言った!」
「何っ☆ う〜ん!」

のち、工房で
釉薬掛けしながら、考えました。 「やっぱり、ケジメつけんといけん!」


「お〜い!学校に教科書取りに行くぞ!」 「明日、持って帰るけぇ〜」
「ふざけるな!行くぞ!」 「真っ暗で誰もおらんよ!」
「ガードマンに頼む!」 「いやだ!」

キッズは
泣きワメキ、結構な大喧嘩になりました。
無理やり、手を引っ張っておりますと、カ〜サンが
仲裁

いわく、「ト〜サンは
自分の感情だけで怒ってる!」
「ト〜サンは学校の事、知らん! 1度でも、
授業参観した事あるんか! 郁ちゃんが、不登校になる!」
久し振りの
修羅場となりました。


カ〜サンの説明では、約3kmの、雨の日の
自転車通学・・・
前のカゴに重たいカバン! 肩にスポーツバック! 背中にテニスラケット!
ズブ濡れで、危なくて、
可愛そうで、見ておれなかったらしい・・・

確かに、
近所の親友は、晴れでも、車での送迎・・・
雨の日なら、かなりの父兄が、送迎しているらしいです。

オヤジにすれば、考えられませんが・・・
変なオジサンに声をかけられた
事例もあり、校庭に熊が出没したのも事実です。
昔には無かった事ざんす!


その夜、オヤジは
布団の中で、明け方まで考えました。

オヤジトークに間違いは無いとは思いますが・・・
問題は、
言葉や理屈では伝わらない事が、あるのも事実!
オヤジトークに見合うだけの、
オヤジの背中を、キッズに見せているのか?

う〜ん! う〜ん! う〜ん!

不覚にも突如、田嶋陽子女史の
亡霊が、現れてしまいますた。
「こら☆オヤジ!男女平等なら、
教育や家事への参加が、チト不足しているだろうが?」
「ハッホッホッホッホッ・・・・」

キッズは低学年から、当たり前のように、風呂掃除と、茶碗洗いと、洗濯物タタミを、交代でやり
その上、工房での手伝いもやり、
手話やピアノの教室にも通い、
結構、忙しく
ハードでありまする。


次の日、カ〜サンといろいろ相談しました。
夕食のダイニングにて・・・ 
チト弱きなオヤジトーク、連夜の炸裂!

「今日から、中学生の郁美は、家の手伝いを
無し! その分、その気があれば勉強しんさい!」
「自転車には、
荷台を付ける! カッパを買う!」
「カ〜サンは、
釉薬掛けを、少しづつ練習するざんす!」
「オヤジが、風呂掃除と、洗濯物タタミを、やるけ〜のう!」

キッズいわく、「それは困る!お金が無くなる!」 これまた、
激しい抵抗にあいました。
完全歩合制のキッズのこずかいの減額を恐れたのでありました。
しかし、風呂掃除と、洗濯物タタミは無報酬でしたので、納得!

「明日の
参観日は、ワシが行くけ〜のう!」
キッズいわく、「いやだ!それは困る!お父さんが来る家はあんまりないよ!」
この件に関しては、保留!


次の日から、居間の風景が、チト変わってしまいますた。

テーブルの特等席の、オヤジの
ノートパソコンの座は、キッズの教科書・ノートに、奪われ
隣の和室では・・・ 
洗濯物をタタム、オヤジの姿がありました・・・

「その、
参考書や問題集はどしたんか?」 「先生がくれた!」
「タダでか?」 「うん!」 
「郁ちゃん、これで頑張るけえ〜、参考書なんか買わんでええよ!」
その表情は、実にスッキリ
晴れやかでありました。

見ますと、出版社から教師への、無料のサンプルでありました。

受験セールスとの、バトルを繰り返し、
キッズやカ〜サンのパンティーまでタタム、オヤジの立場、威厳はどうなるんなら?


一連の受験セールスから始まった、今回の騒動・・・
キッズにしてみれば、大人が振りまわした、ある意味、
災難で御座いました!

オヤジは、独り呟きました。
「今年の
クリスマスプレゼントは、絶対、参考書だ!」
広島で
一番大きい、本通りの商店街の、老舗の本屋に、キッズを連れていくでがんす!

「それも、バインダー式の、字の大きい、一番分厚くて、重たいヤツだ!」


PS

母親の子供への想いは、多分に
感情的であり、父親はチト冷めております。
どちらにも、それなりの良さがありますが・・・

セールストークに弱いのは、母親である事は確かです。
セールス様は父親を、チト嫌っておりますもんね!

人の
不安に偲び込むのが、絶妙なセールストークで御座います!
受験も、ダイエットも、ハゲも、気にすると、きりがありませんので、ほどほどに・・・

加計町地区担当の、受験セールスの皆様へ
人の世の闇とは申しませんが、
グレーな部分の勉強になりますので・・・
是非、風炎工房に、気軽に御立ちよりくださいませ。
心より、御待ちいたしております!




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