フリーマーケット

先日、お付き合いのある、山口のギャラリーのオーナー様が、
フリーマーケットで「
板谷波山のぐい呑みを、1,000円で買ってきた!」と、興奮ぎみに話され、
たぶん、価値の解らないお嫁さんが、倉ででも見つけ、手放したものであろうとの説明!

あの、
腹の底からにじみ出てしまう笑みが、今でも思い起されまする。

その作品の
真贋はともかく、そのような事があっても、不思議ではない程、
フリーマーケットは、各地で盛んですね!

不景気のおり、物を大切に、有効に使う、
合理的な手段であり、
今の複雑すぎる商売の、
原点でもあり、考えさせられます。


風炎作品の
価格は、御客様の立場になって、出来るだけ差別のない、同じ条件で
皆様の御手元に届くように、
努力を致しております。
しかし、それから先、作品が
どんな一生を送るのか、見届ける事は出来ません!

少々、口が欠けても、
使いシゴカレテイル風景・・・
時々、御客様の御宅で、
元気な姿を見ると、とても幸福になります。


工房周辺のイベント会場でも、時々、フリーマーケットが開催されます。

風炎オヤジは、気にはなりますが、
まず行きません!
というより、行きたくありません! というより、
怖いのでありまする!


運命のイタズラ、再会に、君は僕など忘れていたね。」
は、某歌手の
歌の文句でありますが・・・
もし・・・ 
悲しい値段で風炎作品が並んでいたりしたら・・・ 大ショック!

作り手にとって
作品は、クサイ言い回しですが、分身であり、子供のような感情があり、
自分の単なる思い入れ、ワガママ、とは
充分承知していても・・・

・・・ カナシイ ・・・ ツライ ・・・ シミル ・・・ ナミダ ・・・


インターネット上でも、
オークションが盛んですね!
この場合、
悲しい値段で始まっても、上がる一方↑↑↑
しかし、フリーマーケットの場合、
下がる事はあっても、上がる事はありません↓↓↓


先日、ブチ
悲しい出来事がありました。
工房近くに、温井スプリングスという、
湖畔の瀟洒なリゾートホテルがあり、
SHOPには風炎作品が並んでおります。

展示台の前で、
コソコソ在庫チェックをしておりましたところ、御客様の御夫婦が・・・

「おいおい、
お前の好きそうな、焼き物があるでぇ〜」と、手招き・・・
「う〜ん!うちは、
こが〜にぃ渋いのは・・・  えっと、好かん!」と、一言!
すぐ近くの、エレベーターに乗って、
のように去って行かれました。

作者が、
目の前にいる事は、知る由もなく、
返ってそれが、言葉の重さ、真実、リアリティーを
際立たせます!
時間が止まりました。
う〜ん!

当然、風炎作品が、
全人類から好まれているとは、ツメの垢ほども、思っておりませんが・・・
こうも、面と向かって、
正直なお言葉を頂くのは、一生のうち、そうもありません!


あちこち、
展示会という名の行商の旅を続けておりますと、
時々、商売の
達人に出会います。

真剣に御客様の立場で商品を御勧めし、
真剣に金儲けの計算もできる人。

いわゆる、
裏表を上手に使い分ける能力を御持ちで、裏表がどちらも真実であり
ある意味、正直であり、厳しくもあり、
惹かれる人間性・・・

まあ〜思うに、
裏表があるのが人の世の常、真理でありまする。

オヤジの場合、
風炎作品の、
幸福な一生を夢見る、ドンキホーテ!
ある種の勘違い、
虚構のイメージの中を、幸せに漂っているだけなのかも、しれまへん!


九州のある陶芸家が、
粗大ゴミ捨て場で、使えそうな家電をあさっておりました。

なんといっても、
陶芸家の半分以上は、たくましい貧乏人ですので・・・
オヤジも、タンス工場で灰を貰ったり、大工さんに木クズ貰ったり、農家でモミガラ貰ったり・・・

その陶芸家は、
広い捨て場で、見慣れた包装紙の箱を発見しました。
自分の工房の包装紙ですから、スグ目に付きます!

あ〜開けてみますと、見てももらえず、使ってももらえない、
分身が・・・

これは、オヤジ以上に怖い、
ホラーな体験ですね!

ギフトの
真髄は、「あ〜開けてみれば、愛!
ばってん!「あ〜開けてみれば、
恐怖!


風炎作品は
個性的だし、DOMOもあるし、真贋を疑う余地も無く・・・ すぐ解ります!
包装紙和紙風の薄茶の無地、チョー・シンプル!

風炎オヤジは、
フリーマーケットも、ゴミ捨て場絶対行きまへん!

フリーマーケットもいい・・・ リサイクルもいい・・・ 節約もいい・・・ 会話も楽しい・・・ 
怖い!

すべて
真実でありまする!

PS

工房北側50m、
異様に整備され、立派な実りの畑があります。
よく日曜日には、風に流され、田舎の芳しき「
カホリ」が、工房に届きます。

今の
忙し過ぎる時代、御客様の作品の感想で、「イヤシ系」という言葉をよく聞きます!
陶器は
ワレモノですから、壊れるのも運命!仕方ありません!

やがて風炎作品も、人も、まあ、
それなりに生きて・・・ 最後は壊れ、土に帰ります。
オヤジの目指すは「
コヤシ」・・・ うん! 「コヤシ系」でありまする!

ワガ人生、 花ナラバ、 ニトビチリテ、 ヲミツメ、
イク年タチシアリシ日ニ、
花ノ
ニナル、 土ニナリタイ!!




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