民芸

DM 大皿 倉敷民芸館 展示風景


風炎オヤジ、高卒のち、19才からの4年間、
倉敷みなと窯にて修行させて頂きました。

御世話になりました、沖塩明樹
師匠の展示会が
倉敷民芸館にて、9月12日〜11月25日まで、開かれております。
家族全員で、倉敷に出かけました。

あれから
20年以上の時が、流れてしまいした。
御迷惑ばかりを、お掛けした、あの頃を想い起こせば・・・
申し訳ない感情が沸き起こります。

展示作品は、大胆で力強く、
おおらかな器たち・・・
師匠の50年以上の歴史の数々・・・
見るほどに、オヤジの心奥深く、
故郷のような、感謝の念が、溢れてきました。


師匠は、いわゆる
民芸の職人としての仕事を、貫いておられます。
展示会を開かれる事は珍しく、
こうした会場で、
沢山の作品を見せて頂くのも、始めてです。

その作品群を見せて頂きますと、
風炎オヤジに、「
初心忘れるべからず!」と、
優しく語って頂いてるような、暖かさに包まれます。


自分探しの若き日・・・ 民芸という言葉に、エラく惹かれました。

有名で偉い、芸術家の作品は素晴らしい!
しかし、
無名の職人が、生活の糧として生まれた、雑器、道具、にも
おおらかで
健康的な美しさがある!

これを、ひとつの運動として展開された人
柳 宗悦 氏の、作られた言葉が、民芸であります。


高度成長、大量消費の時代、そうした
手仕事、風前のともし火でした。

そうした
手仕事に、光をあてた民芸運動は、広がりをみせ
工芸品の作家たち、愛好家が集まり、
各地に
民芸館が建てられ、芸術運動となりました。

無名を求めた作家は、やがて、有名な大先生になられる場合もありました。

理論としては、そこですでに
矛盾があると、若きオヤジは悩んだものです。
あれから
荒海に揉まれ、今の中途半端な、DOMOな生き方を、憶えてしまいました。


民芸しかり、茶道しかり、花道しかり、舞踊しかり、書しかり・・・
根源は尊いものである筈です。
制度、派閥となった時はすでに、小さな矛盾が芽生えているのかもしれません!

時代もながれ、人もながれ、川もながれ・・・
一つの価値を、止めておく事は、できません!

制度、団体、派閥に委ねた価値は、
儚いものか? シブトイものか? 尊いものか? ・・・
今でも解りません!


ひとつの時代を、師匠は
職人として、民芸としての生き方を、貫いてこられました!
ある意味、大先生より、
純粋に民芸らしいと言えます!

その根底にあるのは、
厳しい優しさでありました。
心から、
敬服いたします。


民芸と、今の自分を比べれば・・・

無名という名の、DOMO! 生活の糧という名の、乱作! 展示会という名の、行商!

クラフトは、民芸の流れを、受け継いだものかもしれません!
機械量産、デザイナー作家を認めているようですが・・・
解釈は何となくアイマイで、それが何となく風炎オヤジらしく、が合う気がします。

中途半端
やなあ〜


現在、師匠は体調を崩され、
闘病中です。
帰りに、牛窓町寒風の現在の工房に、御邪魔させて頂きました。


登り窯での、徹夜のカマタキに、
を見ながら、美味しく頂いておりました
懐かしい料理の数々・・・ 懐かしい想い出話の数々・・・
有り難う御座いました!


風炎オヤジの独り言を、倉敷の兄弟子が、プリントアウトしてくださり、
師匠が、病室で御読みくださったとの事・・・
恐縮です!

もし、この作文を、師匠が御読みくださったら、
きっと、「こんな、
生き方しか出来なかったんだよ!」と、おっしゃる筈ですね!

20年前の作品

倉敷修行時代の、風炎オヤジの作品を、師匠は大切に御持ちくださっておりました。
想えば、
あの頃の作品は、ほとんど手元に御座いません!

「これも、あんたの
歴史だから、あんたに返します。」と、御言葉を頂きました。


師匠と私は、親子程の年の差ですが、
これからの時代・・・ いろいろな
矛盾のなかで、それなりに舟を漕いでみます。


いかに、時代が流れても、
一番大切なものを、教えて頂きました。
オヤジなりに・・・ 
初心を大切に頑張ります。

本当に、有り難う御座いました!


PS

昨年、地元中学の
職場体験学習で、工房で生徒4人体験依頼が、ありました。

父親の汗、仕事する背中に、触れる機会も少ない時世・・・
子供が
社会に触れる機会も、少ないですけえのう!

午前中は
草刈、ほんで、午後は、チト粘土を触らせて、徒弟制度のウンチク話しでもと・・・
それなりに考え、プランを提出致しました。

翌日、先生から
御断りの電話がありました。
なんでも、午前中の
草刈が、生徒には、きつかったらしいです。

う〜ん!

核家族、能力主義、派遣社員、パートタイム・・・
家庭、労働環境は、
人間関係が、希薄になるばかりですね。

徒弟制度は、嫁姑に近い、濃密な人間関係です。
オヤジ臭くなって、始めて、その良さが解り始めましたでがんす!




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