陶器屋さん 切り高台 城下の町並

福岡での展示会の帰り、きまぐれの風に吹かれ、山陰、萩を訪れました。

やきもの
萩焼は、茶陶での伝統があり、全国に知られている産地です。
古い城下町で、町並みが保存されております。


観光客気分で、陶芸家の身分を隠し、
城下の、町並・窯元・陶器屋さんを、
散策するのは
バカ殿が変装して、城下で遊ぶ気分に似ておりました。

楽しいのう!
変なオヤジと思いつつ、対応して下さる方々との会話


思い起こせば、中学時代の美術教師いわく
「わざとキズモノ・2級品を作る、萩焼の
切り高台(底)。」
殿様と家来・庶民の身分を、わける為のものじゃ!」
「けしからん!
差別じゃ!」
憤慨されておりました。

観光客相手の陶器屋さんでは、確かにその様な説明がされました。
今日のアウトレット店の、
切りタグにも、似とるのう。 う〜ん!


陶器の
説明のしかた、売り方、雰囲気、うんちく・・・
どの店も、押し付けがましくなく、優しく、
細やかな対応をして頂きました。
バカ殿 and カ〜サン、
深く反省!

作品の撮影許可も、快く頂きました。
「当店自慢の
高杉晋作も、是非、撮って下さい。」と、勧められました。

(内心、幽霊のようで乗り気ではありませんでしたが・・・)
(ちなみに背後霊はカ〜サンではありません!)


それから、
抹茶碗専門の石井美術館を訪れました。
受付カウンターの冊子には、先の切り高台の解釈には
否定的でありました。

「誰か、
バカ殿にも解るように説明してチョンマゲ」と、叫びながら
今日一日、城下を
探検することに決めたでがんす!

茶室 萩城跡 高杉晋作

さりげなく抹茶の小旗の揺れる、御茶屋さんを発見!
入ると、小さな茶室があり、
バカ殿 and カ〜サンは並んで正座、フリーズ!

姿勢の良い和服の女性は、
茶道の師範と一目瞭然!

有名作家の茶碗を選んで、抹茶を立てて頂けるらしく
人間国宝・
三輪休雪、と坂高句麗左衛門をチョイス!700円。
切り高台はありませんでした。

「バカで、すんません!」
「切り高台について、教えて頂けませんでしょうか?」

「はい、
五つの説が御座います。」


@ 茶渋が染みて、色が変化する萩焼は、シンプルで、模様がないので
アクセントとしての単なるデザイン。

A 濡れた茶碗が、盆の上で滑るのを防げるらしい。
(師範は実験され、効果があるとの事。)

B 昔は梱包・荷づくりにワラを使用しており、ワラ紐を掛けるため。

C 窯で焼成の時、高台内に炎が回らず、還元色になるため。

D 身分をわけるため。

にじり口を出る時、巨漢のバカ殿は脳天を痛打!
ゴツン☆ 
覚醒!

土いじりの、だ〜い好きなバカ殿は、Cの説がホンマげなのう!

さらに
散策、城下はブチ楽しいのう!


それから、豪商の旧家、
熊谷美術館の、前の窯元・展示場を訪れました。

たくましい
貧乏バカ殿
「触ってもいいですか? ひっくり返していいですか? 撮ってもいいですか?」
貧乏で買えませんが・・・」

1,000円から、500,000円くらいまで、
茶碗の値段はいろいろ!

同じ先生の作でも、若い時のは安く、
茶道の家元に金一封、上納して、号や箱書きを頂くと、作家としての地位が上がり
茶碗の値段も上がります。

また、
年功序列でジジイになると、上がります。

その上、一応、作品が良くないといけません!

「茶碗の作者と、
茶道の家元は、どちらが偉いんでがんすか?」
「もちろん、家元です。」
「ふ〜ん!なるへそ!」


店の女将にも勧められましたが、6万円の
茶碗が、偉く気に入り、ブチ欲しいでがんす。

「5万円に、お安くしときます。」
「ほりゃ〜
いけんのう! 作者に対して申し訳ありません!」

しばらくナデナデ・・・ ひっくり返してナデナデ・・・

「もっと、安くならないか、お父さんに聞いて来ます!」
「あっ、いいでがんす。
三万円でも買えませんので!」

しばらくナデナデ・・・ ひっくり返してナデナデ・・・

カードも御受け致しますし、着払いという方法もありますよ!」
「そのもとの、
がありまへん! 今夜、茶碗に出てきそうじゃのう!」

しばらくナデナデ・・・ ひっくり返してナデナデ・・・

帰りには、作者のしおりに、作品名と、連絡先をメモって下さいました。

好きな
茶碗が、買える値段で、自分の価値観で楽しめればいい訳で・・・
今回は、バカ殿の
小ずかいでは、高過ぎたのだ!

バカ殿は
煎茶の急須、カ〜サンが湯呑を求めました。

Cと思う、
切り高台説を投げかけると、
で高台を上げて焼くので、は回りますよ!」
う〜ん! なるへそ! 解らんのう!


幕末から、明治維新へと時代を動かした、薩摩・長州
萩城の城跡は、焼失したのかと思いきや
武士の時代の、
終焉の象徴として、解体されました。

閉塞感の、現在の日本。
時代を動かした、
若き偉人の生き様に、見習わなくては・・・

「アイ〜〜ン!」

PS

時代の変わり目、
茶道は制度疲労、人口は激減いたしております。
「侘び寂び」の
美意識は、simple is best!
されど、
家元制度は、巧妙かつ複雑でがんす。

風炎オヤジの頭の
中身も、頭髪も「侘び寂び」の境地に突入!




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