春の叙勲

箱書き

毎年この時期、朝刊で春の叙勲の発表がされます。
我が加計町でも、毎年、数名の御名前が掲載されます。

地方自治、教育、ボランテア・・・ 
永年の御苦労をねぎらい、
賞状・勲章・記念品が授与されます。

毎年、
風炎作品を記念品として使って頂いており、心より感謝いたしております。

花器、壷、大皿・・・  
桐箱に収めさせて頂くのですが・・・
蓋には、窯名・作品名・作者名の
箱書きと、朱印が押されております。
この時
、「困った問題に直面してしまうのです。


日常で、
筆をもつ事は殆どない時代に、なってしまいましたが
陶芸の世界では、今でも色濃く
この習慣が、残っております。

画廊での受け付カウンターでは、芳名録と筆・硯・墨が置いてあります。
いつも、「清水の舞台から飛び降りる」
覚悟で、署名しておりましたが・・・

最近は慣れて、「
ヘタクソで元気よく!」をモットーにしております。

最近は、サインペンが用意されている事が多くなりました。

以前、沖縄の人間国宝、金城次郎先生の、
油性マジックでの箱書きには
おおたまげ! 大変な
ショックを受けました。


ほんじゃが何故、このような
習慣があるんかのう?

 大切な物だから、壊れないように箱にしまう!
 何が入っているのか見えないので、作品名を書く!
 作者が自分を覚えてもらう為に、または、忘れられてしまわない為に、作者名を書く!
* それが、本物である証として印を押す!

物を大切にする心が、習慣としてある訳で、ウナズケなくもありません。
ただ、作家や家元に金一封、
上納して、箱書きを頂き
作品の価値をあげる行為は、
ウナズケません!


しっかし、なんで叙勲の勲章名はこうも
難しい字が、多いいんでがんすか・・・
先程の
「困った問題」とは、これでがんす!

「勲四等、旭日小綬章・瑞宝章、勲五等、双光旭日章・宝冠章、勲六等、単光旭日章・・・」

天皇の
権威を象徴しているのか、権威を守る為に難しくしているのか、解りません!


風炎オヤジは、オヤジですが、
日常的に筆を持つ世代ではございません!

仕事がら、「風炎窯・魚紋花器・壷・大皿・茶碗・ぐい呑み・湯呑・酒器・・・」
それと、自分の「住所・氏名・
DOMO」くらいは
ヘタクソでも元気よく、筆で書いております。

しかし、それ以外の字を、書く事は全く、できん! 頭も手も
フリーズ!
困った問題なのであります。


広島は、
浄土真宗・安芸門徒、田舎でも大きなお寺が、至る所に御座います。

風炎オヤジの、門徒寺の
御住職の奥様は、教員の経験を御持ちで
中学時代、
「書」を教わりましたが、風炎オヤジはワルガキで御座いました。

困った問題に直面いたしますと、いつも助けて頂いております。
叙勲〜の難しい字の部分を、蓋の裏に、御住職の奥様に書いて頂き、
オヤジは、表を
ヘタクソ字で、「窯・作品名・DOMO」と書いております!

御住職の奥様は、
仏の心で無償で書いて下さいます。
風炎オヤジは、ただ
感謝して、仏に手を合わせます・・・  合掌!


「一楽、二萩、三唐津」とか、「一井戸、二楽、三唐津」とか、
茶の世界でよくある言い回しですが
これは、
時の権力者が、その地域での功労者に与える、叙勲としての意味合いが強く
オリンピックでの「金・銀・銅」のようなものであったらしい事を
最近、知りました。


そういえば以前は、
受勲拒否した、小説家・陶芸家・音楽家など、おられましたが
最近は、そのような事はあまり聞きません!
宮内庁の選考方法も、以前より巧妙になっているのかなあ・・・ 天皇の権威を守る為に!


勲七等は、今年から廃止されたそうですが、
春の叙勲も、もう少し砕けて、ブービー賞なるものが出来ると
風炎オヤジも
受賞の可能性があるかもしれん!

そうなると
天皇の権威も砕けてしまうのだ!

冗談はさておき、
受章された皆様、おめでとう御座います!


PS

価値観の多様な時代とは面白いもので、何を迷ったか・・・
オヤジの箱書きを見て、
感動されて、作品を御求め下さった御客様が数名いらっしゃいます。

何故、「
林 俊一」と書かず、「DOMO」と書くのか・・・

何してか?  ・・・  ブチ、恥ずかしいんだも〜ん!

ほれと、印の
▲▲は、木・木であり、林でがんす。




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