キッチン・スタジアム
「全国陶磁器フェアIN福岡2001」がマリンメッセにて開かれました。
今年で三回目ですが、博多の夜を楽しみました。
広島・流川もネオンが沢山ありますが、中州の川面に映ったネオンの美しさは
大阪・道頓堀のグリコの万歳!にも負けておりません!
たまには、ささやかな贅沢をと、カーサンと二人、日本料理店に入りました。
おおたまげ!
店の中心に板場があり、吹き抜けの大空間!
10名程の板さんが忙しそうに立ち働いておりました。
取り囲むように、一段高く、カウンターがあり、また吹き抜けを取り囲むように座敷があり
どの部屋からも、板場が覗けるような設計でありました。
まさに、「キッチン・スタジアム」!
グルメブームでバブルな時代、そんなTV番組がありましたね。
全ての御客様から見られながらの仕事は、かなりのプレッシャーであり
この環境を楽しめる板前様は、かなりのツワモノであります。
板前の世界も、陶器の世界も、徒弟制度、職人技が色濃く残っております。
見習の方は、何処かオロオロして落ち着きが無く
包丁を握る方は、次の動作を意識しながらの包丁への集中力が溢れ
無駄な動きがありません!
さらにハイクラスになると、淡々とマイペースで、息を抜くところを心得た
ベテランの味を感じる、仕事振り・・・
いくら見ても、いっそ飽きる事が、ありません!
帰りに川沿いの屋台で、とんこつラーメン!
組み立て式の、小さなレトロな、移動キッチンスタジアムも、
スペースを有効に使う為の、細かい工夫があって、楽しいなあ〜!
巨漢のオヤジには、チト狭い!
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琉球村工房のオヤジ |
今に想えば、15年程前・・・
沖縄修行時代、8年の内の5年を、観光施設、琉球村で御世話になりました。
御客様の視線を浴びての仕事を、経験致しました。
地面を2m程掘り、竪穴式の萱葺き大屋根の工房でした。
以前は、ハブの飼育場であり、大空間!
半分は作品の展示販売を、致しておりました。
当時、一日平均2000名程の入場があり
ロクロ台の1m程前を、御客様が蟻の行列の様にゾロゾロ・・・
広島、安佐動物園のゴリラはストレスの為、ウンチを御客様に投げつけます。
工房仲間は、仕方なく、御客様が降りてくる通路下の空間を、カーテンで仕切り、
秘密の休憩所を作ったり、登り窯の中で御茶、タバコ、ごろ寝をしておりました。
しばらくすると人の目にも慣れ、ロクロに集中するあまり、人の視線を、つい忘れます。
ロクロ作業には、人それぞれ、手作りの道具があり、
オヤジのロクロの前に、細長い「竹ひご」がありました。
これを使うと、工房スタジアムが爆笑の渦になった事が、数回ありました。
ロクロ作業は手が泥だらけです。 この「竹ひご」の用途とは・・・
・ちょと皮膚・頭がカユイ時、掻く!
・前髪が目に入りそうな時、掻きあげる!
・汗でメガネがズレタ時、戻す!
・鼻くそをほじる!
実に、動物的作業ですが、生きる為には欠かせない、行為ざんす!
ロクロに集中するあまり、御客様の視線を忘れ、ついホジホジ・・・
御客様からすれば、手品の様なロクロ作業、気合の入った職人が
サルの様な行動をするわけで・・・
顔に泥を付けない為の、「竹ひご」というアイディアが、素朴で・・・ 笑いますよね!
動物園のサル、デパートの催事の実演、観光施設・・・
人の視線を浴びる場での、ストレスを、御理解くださいませ。
PS
現在、風炎オヤジは山里の工房で作陶三昧!
人も少なく、視線を浴びる事もあまりなく、ズボラ放題で御座います!
視線を浴びるストレスも大切かもしれません!
昔のハンサムを、取り戻すために・・・
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